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第壱話・飛べない鳥。(二)

「そうかい、そうかい。気持ち悦いか……」  大瑠璃が黙っていることをいいことに、お客は分厚い唇を歪ませて醜く笑う。 「――――」  このお客は今ではすっかり馴染みになったというのに、少しも自分たち娼妓のことを知ろうともしない。ただ快楽を得たいがための道具として、自分たちを扱う。 「何度抱いてもたまらないな、お前の身体は――」  ツンと尖った蕾を執拗にこね回し、唾液を垂れ流しにした口で陶器のような白い柔肌を蹂躙する。  望んでいない行為だが、大瑠璃は自分の立場を理解している。親の借金の過多に連れて来られた自分は拒絶なんてできるはずがない。  誰かに助けを求めても無駄なこと。他人を信じれば裏切られるだけ。五年もこうして勤めている大瑠璃は、もうとっくの昔に苦難や苦痛から抗うことを諦めている。  そんな中で唯一、大瑠璃が信じられるものといえば、お客たちから与えられる金子だけだ。  だから大瑠璃は自ら身体を開き、お客の背に腕を回す。  ただ、金子を求めて――。 「さあ、お前の恥ずかしいところの何もかもを見せておくれ――」  そんな内情も知ろうともしないお客は満悦な笑みを浮かべ、太腿をいっそう大きく割り開いた。そうするとしなやかな下肢の間から露わになるのは陰茎と後孔だ。 「ああ、大瑠璃のここもまたいい匂いだ。おれよりもずっと小さくて可愛いねぇ~」  お客は大瑠璃のあられもない姿に興奮している。荒い呼吸を繰り返しながらごくりと唾を飲み込むと、大瑠璃の陰茎に顔を擦りつけた。

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