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第弐話・苦痛と深い悲しみと。(二)
山本は沈黙を守っている大瑠璃を見て悦に浸った。
どうやら大瑠璃もその気になっていると踏んだらしい。
双丘を撫でていた手は裾をくぐり、太腿をなぞった。それだけでは終わらない。自由気ままに動く手は後ろへ這うと後孔に触れた。肉壁をこじ開けるように割り開くと、二本の指が挿し込まれた。
「よしよし。お前の腹の中にたっぷりと注いでやった俺の愛液がまだ随分と残っているな。家のことなんて忘れて、お前の中にずっと挿入れていたい……。名残惜しいよ、大瑠璃」
後孔を弄る指は肉壁を擦りながらさらに奥へと進む。すると山本が言ったとおり、大瑠璃の最奥に注がれた白濁がねちねちといやらしい水音を立て、滴り落ちるのがわかった。
あまりの不快感に胃液が食道を通って上ってくる。
それでも大瑠璃に拒否権はない。いっそう押し寄せてくる不快感から目を逸らす。
「山本様……ここじゃ……恥ずかしい……からっ……」
大瑠璃は山本の分厚い胸板に顔を埋めた。
それから頬を朱に染めるため、こっそり頬を抓る。
……はらり。
頬を抓った痛みで涙が一筋流れ落ちた。
「可愛いなあ、お前は……」
潤んだその目と朱に染まった頬。
すっかり大瑠璃の美貌に惑わされた愚かな山本は優越感に浸った。
おかげで大瑠璃の後孔を弄る指はよりいっそう大胆になり、肉壁を擦り続ける。より強い独占欲をあらわにした。
紅を引いている唇が山本の滑った口によって塞がれる。
唇を割って口内へと入った舌が、我が物顔で徘徊する。
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