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第拾六話・やがて終わりを告げる関係を今だけは……。(一)
その日は夜見世がはじまるまでの間、大瑠璃 は間宮 に連れられて吉原中を回った。
そして夜見世がはじまった午後五時すぎ――。
大瑠璃は間宮と共に花街に戻ると彼に組み敷かれた。
一糸も纏わない大瑠璃と間宮。
二人は絡み合うようにして褥の上で抱き合う。
間宮ははやり美丈夫だ。大きな肩幅と分厚い胸板。彫刻のような象牙色の肌。骨ばかりが目立つ細身の大瑠璃とはまるで違う引き締まった肉体美。無駄な筋肉ひとつさえない間宮はとても男らしい。
大瑠璃は今、初めて披露される間宮のたくましい身体に見惚れた。
これまでこの男性に抱かれていたのかと思えば、心が打ち震えもする。
「あっ!」
間宮に身体を暴かれた大瑠璃は艶やかな嬌声を上げた。
薄い唇が胸の上で強調しているツンと尖った蕾を吸う。
間宮の手の中には自己主張している大瑠璃の陰茎が握られている。
ただでさえ、好きな人に抱かれて感じやすくなっている身体は、今日という日を一日中間宮と過ごしていたこともあってか、ちょっとした刺激でも感じやすくなっていた。
間宮の手が動けば、滑りを帯びた水音が聞こえる。
「可愛い身体だ。もう反応している」
「あっ、やっ、言わないで……」
行動だけではなく言葉でも攻めるなんて間宮は酷い。
大瑠璃は羞恥に襲われ、涙目になる。
「手を、離して……」
大瑠璃はイヤイヤを繰り返し、攻め続ける間宮からなんとか逃げようとするものの、けれど間宮は逃がしてはくれない。それどころか、大瑠璃をいっそう攻め立てる。
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