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第七話・三会目。(十二)

 狂おしい熱に浮かされた大瑠璃の唇はもう喘ぐことしかできない。閉じることを忘れた赤い唇の端からは絶えず唾液が流れている。 「やっ……俺、もうっ!!」  間宮の手管は完璧だった。大瑠璃の目にはふたたび快楽の涙が溜まっている。大瑠璃は頬を染め、潤んだ目で自分を組み敷く彼を見つめた。我慢できない。  激しい快楽と強烈な羞恥が大瑠璃を責める。限界だから早く貫いてと彼に訴える。  それなのに……。  間宮は大瑠璃の一物から手を離そうとはしない。それどころか彼は大瑠璃の一物を扱くスピードをずっと速め、いっそう強い刺激を与えてくる。 「てる、あきさまっ! まみやさまっ!」  ――これでは先に大瑠璃が果ててしまう。  自分は娼妓だ。お客よりも早く果てるなんてことはあってはならない。  それに何より、娼妓としてのプライドが許さなかった。  だから大瑠璃は褥の上でいやいやを繰り返し、間宮に限界を告げる。しかし彼は大瑠璃の抵抗を聞き入れようとしない。 「いいよ、イきなさい。果てる君の美しい姿が見たい……」 「やっ、だめっ、ああっ……」  ダメなのに。お客よりも先に果ててはいけない……。  それがわかっていても押し寄せてくる解放感には抗えない。上下に扱かれ、裏に爪を当てられれば、大瑠璃は限界を超えた。 「ああああっ!」  いっそう身体が弧を描き、弓なりに反れると、間宮の手の中で、欲望が弾けた。

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