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第七話・三会目。(十六)

「……ああっ!!」  大瑠璃は二度目の絶頂を迎え、最奥に沈められた楔をよりいっそう締め付ける。  すると間宮は大瑠璃の誘惑に促され、最奥に勢いよく欲望を注いだ。 「じゃあ、また今夜にね。おやすみ、美しい大瑠璃」  ――もうすぐ夜が明ける。空が白じむ頃。大瑠璃の瞼は重い。二度も果ててしまった身体は起きる気力すらない。  間宮を大問まで見送らねば――。  娼妓として無作法なのにもかかわらず、間宮は怒るどころか、大瑠璃の頭をひと撫でして額に口づけを落とすと部屋を出て行った。  最奥に注がれた間宮と自らが吐き出した欲望の蜜はどうやら間宮が処理してくれたらしい。おかげで不快感はまるでなく、大瑠璃はただ、心地好い眠りに誘われた。  《第八話・三会目。・完》

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