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第拾六話・やがて終わりを告げる関係を今だけは……。(三)

 たったそれだけですっかりのぼせ上がっている大瑠璃の身体が大きく跳ねる。  ――たしかに、お客相手に愛しているなんて言葉は幾度となく繰り返してきた。しかし、心から口にしたのは間宮ただ一人。  大瑠璃が抱かれたいと願うのは間宮だけだ。  本気にしてもらって構わない。  しかし、間宮は娼妓である自分の身体を買ったお客だ。  たとえどんなに優しくされても自分の立場は変わらない。  当然、間宮に抱かれたいと願う気持ちは本気だと言えるはずもない。  言えば最後、彼は大瑠璃を煩わしいと思うだろう。  間宮は自分が娼妓だから組み敷いているだけだ。そこに心はない。だから大瑠璃の本音は褥の上でしか口にできないし、言ってはいけない。 「美しい大瑠璃……今日一日、君を前にして抱けなかった苦しみはとてもではないが口ではあらわせられないくらいだ」 「俺だって……ああっ! 輝晃さまっ!!」  間宮の手が大瑠璃の太腿を割り開く。  あらわになった後孔に彼の長い指が挿し込まれた。  一方では扱かれ、もう一方では後孔を弄られる。  彼によってもたらされた快楽で、先走りの蜜が先端から溢れていく。自ら放ったその蜜が後孔を潤した。  おかげで肉壁を弄るその指が動く度に卑猥な水音が生まれた。  自分がどんなに欲望を募らせていても中を解してから抱く間宮の思いやりは、けれど今に限ってじれったい。  他のお客のようにもっと強引になってもいいのにと思ってしまう。

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