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第拾九話・叶わない恋。(七)

 間宮に苛立ち、反抗心を剥き出しにして睨み返せば、骨張ったその手が長襦袢をくぐり抜け、大瑠璃の太腿をなぞった。彼の手がゆっくり這い上がってくる。 「いっ、やっ!!」  太腿を触られただけなのに身体は欲望に忠実だ。熱が身体の芯に宿っていく……。  こんな状況であっても間宮の愛撫に感じてしまう自分が恨めしい。手を跳ね除けたいのに、身体が火照って言う事を聞いてくれない。 「孕む心配がない? 冗談だろう。僕はできるなら君を孕ませたいと思っていたよ。僕の腕の中でだけ、こうして乱れればいいと何度思ったことか! ほら、頬を染めて涙を浮かべる君はこんなに美しい」  太腿の間にある大瑠璃の欲望にたどり着いた間宮の手が、やわやわと扱いてくる。 「んっ、あっ!」  与えられる快楽のおかげで間宮が何を言っているのかわからない。彼の声が途切れ途切れに聞こえる。  今、この家には間宮の恋人がいる。それなのに自分を組み敷くなんて酷い。ズキズキと痛む胸は、与えられる快楽と同じくらい苦しい。拭ったばかりの涙がまたじんわりと浮き出てくる。  こんな抱かれ方はもうたくさんだ。  想われていないばかりか、玩具のように扱われるなんてあまりにも酷い。 「やっ、いやだっ! 輝晃さまが俺を身請けしたのは俺が貴方を庇ったからでしょう? 撃たれたのは俺の勝手だ。――同情なんていらない。俺は……俺はっ……ああっ!!」  今すぐこの手を離してほしい。  けっして届かない恋なのに、こんなにも好きになってしまった自分が呪わしい。

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