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第8話:上書き

「・・・」 俺は迷っていた。正直。・・・そう。あの時、父親にバイブも入れられ、モノも入れられ、 ぶっちゃけ『何もされてない』わけじゃなかった。が、それを自分が白に告げるのはかなりの難易度があった。 白はそれこそ俺を心配してくれるだろうが、同時に嫉妬して更に自分に追い打ちがかかるのではと危惧しているのだ。それに、自分は自らそんなことを言って報告するようなタイプではない。だから・・・ (・・・いうべき・・・なのか?言わない方がいいのか・・・?) 「ああ・・・クソ・・・こんなこと考えるなんてやっぱちょっと絆されてるのか・・・な?」 あいつとそういう関係になってからか、妙に意識をするようになってしまったし・・・ ああ。もう辞めだ辞め。こんな所、白に見られでもしたら・・・ 白「誰が探偵に絆されてるって?」 「!!お前!!」 言っている傍から・・・これが俗にいう、噂をすればなんとやらという奴なのだろうか? というか、こいつなんか俺と付き合ってから若干ヤンデレくさくねぇか?気のせい? 「いや・・・俺がお前に・・・俺はあんまり他人と接しないだろーが。そこはお前がよく知っているだろ。」 というと、 白「あ、そうか。確かに。」 と勝手に納得したようだ。おいおい、納得するの早すぎんだろ。とは思いつつも、いざ二人きりになると妙に意識してしまう。 白「・・・なぁ、探偵・・・俺になんか隠し事してるだろ?」 「!!」 そう言われて体がこわばる。 白「・・・あの時迎えに来たとき・・・見ちまったんだよ・・・」 そう言われて背筋が凍る。あの父親と繋がっているところを見られてしまった。 それだけで俺は何も言えなくなった。 白「・・・もっと、早く助けに行けたら・・・悪い、探偵」 「ち、違っ」 うと言おうとしたら口がふさがれていた。 「んん!!」 白「・・・なぁ、探偵、あいつのモノは美味しかったか?なぁ?」 「っ・・・」 白「気持ちよかったか!!?なぁ!?」 目の前の白はまるで玩具を取られた子供の様に泣きそうな顔をしていた。そして・・・俺は・・・ 「そんな訳ないだろ!!・・・無茶苦茶怖かった・・・あのまま・・・あいつの・・・  あいつのモノにされるって・・・何もできなかった・・・」 泣いていた。白もそれを聞いてはっとした顔をした。 白「・・・っ・・・そうだよな・・・探偵が一番怖い思いしたってのに・・・俺・・・」 なんて言いながらしょげているから、俺は本当にこいつは、と思いながら一息ついた。 「でも、遅くてもお前が助けに来てくれて本当によかったって思っている・・・だから・・・  あいつにされたままじゃ俺も嫌だから・・・その・・・」 ああ。もう。結局自分が言ってしまった。さっきまで悩んでいたのが嘘みたいだ。 それを聞いた白は泣きながらも笑った。 白「・・・わかったよ。仰せのままに。」 そう言って白は俺を抱いて押し倒す。もう、こいつのためになら自分はどうなってもいい。 狂ってしまいそうなほど求めあって。こうして俺たちの夜は更けていく。 出会ったころとは全く変わった俺たちはただただ互いをつなぎ合わせた。 続く

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