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「佐藤さん、嫌じゃないだろ?」 「あっ! はぅっ…」  胸の上から男が退き、ヒリヒリと痛む胸の尖りを優しい手つきで香川に揉まれる。それが、前立腺を叩く指先の激しい動きと相まって……過ぎた快楽に和真の口から吐息混じりの嬌声が上がった。 「お仕置きに、一回イっておこうか」 「なっ…やぁ! あっ、あぅっ…ん!」  激しくなった抜き差しに、頭の中が真っ白に染まり、身体の芯を突き抜けた刺激に太腿がピクピクと痙攣した。 「やっ……きたい、イキたいぃっ」  絶頂感は確かにあるのに放出できない苦しみに……たまらず口から漏れた懇願は、既に理性の(そと)だったから、正常な思考を取り戻した時和真は死ぬほど悔やむだろう。 「今達ったじゃないですか。佐藤さんは欲張りですね」 「ちがっ…ってない…イキた…やぁっ」 「何回でも達っていいよ。和真のイキ顔結構ソソる」 「ヒッ! やあぁっ!」  後孔の指を更に増やされ、また絶頂を迎えた和真の口角からは涎が垂れ、それがシーツに染みを作った。 (かゆいっ、あついっ)  すると今度はどういう訳か? 指の届かない奥の方が熱と痒みを帯びてくる。 「いやらしい格好。自分で腰振ってるの、分かってます?」 「ちがう……ちが……」  馬鹿にしたような香川の声に譫言のような返事をするが、既に意識は切れ切れになり、快楽に飲まれてしまっていた。 「こっちもダラダラ」 「ひっ!」  壊れたように先走りを垂らす亀頭をグリグリ揉まれ、声にならない嬌声を上げた和真の身体から力が抜ける。 「まだ、気を失うには早いですよ」 「いいっ!」  刹那乳首を限界まで爪を立てて引き延ばされ、痛みに反らせた胸の尖りをペロリと香川の舌が這う。 「あっ…あぁッ……ん」 (どうして? なんで?) 「和真、気持ち悦い?」  下の方から悪魔のような男の声。 「きもちいいってちゃんと言えたら、ご褒美あげますよ」  目の前にいる香川は優しく頬を掌で撫でてくる。

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