＊＊＊ 「はい、取りましたよ。良かったですね」 「あっ…はぁっ」 　ようやくペニスの戒めが外れ安堵に息を吐き出すが、同時に自分に触れていた手が全て離れて行ったから……朦朧とした意識の中、和真は必死に射精しようと動ける範囲で腰を揺らした。 「まるで犬だな」 「やっ…イキた……イけなっ」 　揶揄する声の意味も分からぬほど、身体が酷く疼いて熱い。なのに、直接的な刺激が無いからどうすればいいか分からない。 「もう邪魔するものも無いんだから、好きなだけイけばいい。なあ、奈津」 「そうですよ。ちゃんと見ててあげますから」 　そう言ってから、濃厚なキスをしている二人を目に映し、臍の奥の辺りが何故かどうしようもなく熱くなった。 （ど……して） 　戒めは解いてくれたのに、今度は触って貰えない。さっきまで指で抉られていた後孔が痒くて熱くて堪らない。 「お尻の中……かゆい…から……触ってくださ……」 　思わず口から漏れた哀願は、誰に教えられた訳でもなく……だからこそ、和真の二人への服従を決定づけた。 「いいよ。さっき指で触ったところがいい？」 　怖いと思っていた薫が優しい声音でそう囁き、それも二人の策略なのだということすらも分からぬ和真は、喜びに似た感情をその一言で覚えてしまう。 「もっと……おく…ください」 「奥は指が届きませんが……佐藤さんは何を入れて欲しいですか？」 「あっ……あっ」 　乳頭をゆっくり嬲られ、甘えた吐息が口をつく。 　既に和真の頭の中には、最初に自分の口を犯した薫のモノしか浮かばなかった。 「……ちんこ…挿れて、中、掻いて、くださっ…もっ…痒いからぁ」 　焦れた和真が喘いだ刹那、クスリと笑う声が聞こえて脚をガシリと捕まれる。 「俺、先に頂くわ」 「いいよ。俺は口でしてもらうから。和真、口を開いて」 「あっ……うぅ」 「いい子」 　初めて奈津に名前を呼ばれ、それだけで胸が高鳴った。好きでもなんでも無いはずなのに、そんな事も考えられないくらいに支配されてしまっている。