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「仰向けになれ」 「……はい」  二人一緒のこの状況で反抗なんてできやしない。いつか逃げる時の為に少しでも油断させておきたくて、素直に床へと仰向けになると、屈んだ奈津が金属を手に信じられない言葉を告げた。 「コックリングしたままこれを尿道に入れておけば、和真の粗相も減ると思うし、排尿も管理できるから……もっといい子になれるよ」 (尿……道?) 「ホントお前、よく漏らすもんな」 (だって、それはっ!)  二人によって、犬の尻尾を象ったバイブを常に挿入されているからだ。 「ほら、脚広げろ」 「いやっ! そんなの……入らない!」 「入らないじゃない。入れるんだよ」 「嫌だ! もう嫌だっ……解放してっ…誰にも言わないっ……だからっ!」  太さが十ミリ近くありそうなブシ―に恐怖が限界に達し、無茶苦茶に暴れ始めた和真はそこから這って逃げようとした。尿道なんて狭い所にそんな物が入るわけがない。 「馬鹿だな。まだ分からないのか?」 「ひっ…いだいっ! ああっ」 「また、乳首のリングに鎖つけて、公園散歩するか?」 「やめっ……離せ!」 「誰に口を聞いてるの?」  足首を掴まれ引きずられ……そのまま逆さに吊られた和真が声を荒げてそう叫ぶと、抑揚のない奈津の声が上から響いて、身体がガタガタ震えだした。  本当の意味で怖いのは、薫よりも奈津の方だ。 「ちょっとビックリしただけだよな」 「……はい、ごめんなさ……」 「じゃあ、なんて言えばいいのか分かるよね」 「プレゼント、ありがとう……ございます」  逆さに吊られたこの状態では、逃げる事も止めさせる事も叶わないから、屈辱に耐えて和真は答える。 「あとで散歩、行こうな」 「……ありがとう、ござい……」  どうにか声を絞り出しながらも、あまりに屈辱的な出来事に和真の目からは涙が溢れ、それがポタポタと下へと落ちて絨毯へと染みを作った。

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