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(いや……だ) 「まさか佐藤君がこんなにいやらしい子だったなんて、驚いたよ」  尊敬していた加納にまで、こんな痴態を見られてしまい、酷く狼狽(ろうばい)しているけれど、それより今は二人がどこかに行ってしまうのを阻止したい。  そんな事を考えたのは、連れてこられて初めてだった。それだけ……これまで二人の間に必ず自分がいたという事には、今は頭が回らない。  ただ、嫌だったのだ。 「腰が立たないみたいだから、私がやってあげよう」 「やっ……あぅっ」  優しげな笑みを浮かべながらも、自分の体をいとも容易くひっくり返す腕力に、逃れる術など有りはしないけど和真は必死に体を捩る。 「いやだっ、やめっ……」 「彼らの顔に泥を塗るような真似、したらダメだろう?」  床に爪を立て這って逃げようと足掻いたけれど、耳元に低く響いた声に、和真は動きをピタリと止め、背後の加納を振り仰いだ。 「ど……して?」 「だってそうだろう? 言いつけも守れないペットを貸すと言ったなら、主人の彼らが君を躾きれていないという事だ。それとも、これは彼らが無理強いした事で、君は逃げたいと思ってる? なら、話は大分変わってくるが」 「くぅっ……んぅ」  和真から取り上げたローションを、長い指へと馴染ませながら、そう告げてきた加納が片腕で細い腰を持ち上げて、滑りを帯びたその液体を後孔へ擦りつけてくる。 「どうなんだい? もし、無理やり繋がれているのなら、君を助けてあげられるよ」 「あ、やっ……いれな…で、くださっ!」 「それは聞けないな。君の本音を教えてくれないと」 「ひっ…やっ! ああっ!」  一本の指が体内へと入り込んできたその瞬間、和真の体は弓なりに反り、体中へと鳥肌が立った。

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