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「さっきは無理そうだったが、少しは食べられそうか?」
(そうだ、俺は……)
薫が手に持っている粥の入った器 を見た途端、和真は吐き気を催 した。
「うっ……う」
「無理そうだな」
サイドテーブルに器を置いた薫がこちらへと手を伸ばし、シーツを退けると貧相 な体が空気に晒 され露 わになる。
「和真、おいで」
名を呼ばれ、和真は再び起きあがろうと試みるが、少し頭を上げたところで伸びてきた薫の腕に体ごと持ち上げられた。
「っ!」
「そう怯えるな」
喉で笑うような音が聞こえるが、こんなことは初めてだからどうしていいのか分からない。
そのまま、トイレへ運ばれた和真は便座に降ろされたため、混乱はさらに大きくなった。
「今日はここでしていい」
片腕で背中を支えた薫にそう告げられ、和真は激しく動揺する。ここは自分なんかが使っていい場所じゃない。そう何度も二人に言われ体に教え込まれてきた。
「……おしっこ、させてください」
困惑はしていたが、座った途端、思い出したように強い尿意に襲われた。だから、ルール通りに声を出して和真は薫に懇願する。
「いいよ。ほら」
すると、薫の指が股間へと伸びて尿道を埋めるブジーに触れた。そこも、和真が自分で触れることを固く禁じられている場所だ。
「ここ……ちがう」
「違わない。俺が許可する」
どう伝えればいいのか分からず片言 みたいになってしまうが、それでも和真の言いたいことは薫に伝わったようだった。
「でも……」
「逆らうのか?」
いつもはペット専用シートの上で小用 はする決まりだ。大きい方は毎日一度浣腸をされて出すのだが、その時にしかトイレは使わせて貰えないのに、今日はいったいどうしたのだろう?
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