「……ありがとう…ございます」 　命令を受けたときには感謝の言葉を伝えなければならないから、和真が告げるとどういう訳か薫の眉間へと皺が寄った。 「んっ……」 「脚(あし)、もっと開け」 「あっ」 　ブジーの先端を薫に引かれて上擦った声が出てしまう。和真の意志とは関係なしに、性感帯になってしまったその場所は、内側から擦られるだけで気持ちが悦(よ)くてたまらなかった。 「勃(た)ってきた」 「ううっ」 　少しずつブジーを引かれていくうち、成人にしては小振りなペニスが徐々に硬度をもっていく。 「あっ……ああっ！」 　愉悦に腿(もも)がヒクヒクと震え、細い体を仰け反らせると、背中を支える薫の手のひらがあやすようにトントンと軽くそこを叩いた。 　＊＊＊ 「ほら。出していいぞ」 「いく……いく……」 　ブジーを全て引き抜いてから和真の耳元へ低く囁くが、それどころでは無いのだろう。小刻みに体を震わせながら譫言(うわごと)のように喘ぐ姿に薫は口角を僅かに上げた。 「ああ、これじゃあ出せないな」 　勃起している状態での排尿は困難だから、薫は平手で和真のペニスを叩いてやる。すると、和真は短い悲鳴を上げ、「ごめんなさい」と掠れた声で謝罪した。 「謝らなくていい。これで出せるよな」 「うぅ……うっ」 　下腹を手のひらで押しながら、耳たぶを舌で舐め上げる。と、萎えたペニスの先端からはちょろちょろと尿があふれ出した。 「気持ちいい？」 「はい、きもちい……です」 　条件反射の返事に頷き薫は和真を抱き上げる。途端、彼の体が強ばったのは、四つん這いで移動しないと折檻されるという恐怖からくるものだろう。