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「嫌?」
「……うれしいです」
「ホントだ。ここも悦んでる」
耳元へ甘く囁きかけ、布地の上から股間を撫でる。と、そこはすでに誤魔化しようのない状態となっていた。頭を支えて畳の上へと横たえてから、露わになった胸の尖りを飾るピアスへ指を掛ける。
「ああっ」
軽くピアスを引いた途端、嬌声をあげて腰をくねらせる様 を見て、嗜虐心を煽られた奈津は口角をさらに引き上げた。
***
「ふぅ……んぅっ」
いつもとは違う快楽だった。
これまで和真は強制的に愉悦を注がれ続けてきたが、今は全く違っている。錯覚に違いないけれど、まるで大切にされているみたいだ。
(おかしい……なん…で?)
さっきの薫といい、今の奈津といい……おかしな事ばかりが起こる。
いったい何を企んでいるのか考えようとするけれど、触れられた場所から止まることなく湧き出す愉悦に飲み込まれ、ついには思考を巡らせることが困難になっていく。
実際には、胸の尖りを引かれたり、舐められたり、吸われたりしているだけなのに、下半身がどうしよもなく激しく疼いてしまっていた。
「どうして泣くの?」
「あ……ああっ」
薄い胸を反らせたのは、無意識のうちの行動で――。
「きもちい……いく、いくっ」
奈津の質問の意味も分からずに胸のピアスへ手を這わせ、自ら刺激をしようとしたが、手首を掴まれ和真の願いは叶わない。
「……うぅ……ん」
「そんな顔しちゃダメだよ和真。抑えが効かなくなる」
抑揚の無い奈津の声音に微かな恐怖を覚えるが、それよりも今は達することで頭の中が一杯だった。
「……や、ちくび、触りたい……和真は……いんらん…だから……ちくびで、いきたいです」
教え込まれた言葉でねだると喉で笑う音がする。
「和真はホント、酷くされるのが好きだよな」
唇同士が触れ合うくらいの至近距離から告げられた言葉に、「好き」と返事を紡ぐより早く股間を強く握られた。
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