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「そろそろ(はら)むかな」  ポソリと耳元で呟いてから、和真の下腹へ手のひらで圧をかけていく。と、小さくだけれど確かに頭を左右に振ったのが見てとれた。  「和真は本当にバカだ」  もう意識は飛びかけているはずなのに、無意識に抗ってしまう憐れな姿に煽られる。  こうなると、理性の(たが)が外れてしまい、さらに和真を激しく苛む結果となってしまうのだが、制御するつもりなど微塵もありはしないから、そのまま己の欲情に任せ奈津は愉しむことにした。 第四章 終わり

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