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「やっ……あぅ」
同時にキスから解放され、和真の口から喘ぎが漏れる。手首を掴んだ奈津が耳元で「動かないで」と囁くから、自由になった脚を閉じることもできなくなった。
「いい子だ」
「あっ……あぁっ」
下腹に圧をかけられるたび、背筋を愉悦が這い上がる。視線の先、張りつめた性器が下着を押し上げ、徐々に染みを広げる様子に、羞恥を覚えた和真はたまらず視線を逸らして瞼を閉じた。
「恥ずかしい?」
問いかけてくる薫の声に、和真は小さく頷き返し、「ごめんなさい」と謝罪をする。
以前ならば、「だらしがない」と折檻され、漏らさないようにブジーを挿入されてしまうのが常だった。だが最近は、2人の口淫や手管によって達することが殆どで、酷く扱われる事は無い。けれど、長い間をかけて染み着いた恐怖心は拭いきれず、つい謝罪をしてしまう。
「いいよ。全部許すから、目を開けて」
甘い声音に操られ、和真が薄く瞼を開けば、「脱ごうか」の声が聞こえ、手首を離した奈津にシャツを脱がされた。
「こっちも」
下着も薫に脱がされて、一糸纏わぬ姿にされる。心もとなくなった和真は、せめて性器を隠そうとするが、再び手首を奈津に掴まれてシーツに縫い止められてしまった。
仰向けになった和真の瞳に、奈津の顔が逆さまに映りこむ。
「本当は……和真のこと、全部管理したい。だけど、セーフワードを言えば止める。それは約束する」
「管理……」
奈津の言葉を微 かな声で繰り返せば、性器がヒクリと脈を打ったのが、自分自身でも良く分かった。これまで散々管理をされ、いつも嫌だと思っていたのに、こんな反応をしてしまうのは……心の奥ではそれを求めていたからだろうか?
「和真、脚を開こうか」
足元で命じる薫の声に頷いた和真は膝をたて、羞恥に太股を震わせながらも脚を左右に大きく開く。と、笑みを浮かべた奈津が手首から手を離し、「偉いな」と告げてから、胸の尖りを彩るピアスを摘んで上へと引っ張った。
「っ! あっ……んっ!」
突然襲った鋭い愉悦に、細い体がシーツの上でヒクッヒクッと跳ねあがる。しかし、すぐに指は離されたため、達するまでには至らなかった。
「なあ薫、和真は俺たちを受け入れるまで、イくの我慢できるかな」
「塞がないと無理だろ。でも、どっちにするかは和真に決めさせよう。和真、ココが空になるまで頑張れるか? それとも、こっちを塞いでほしい?」
薫が手のひらで陰嚢を揉み、尿道口へと指を這わせる。質問に対し、「塞ぐのは……嫌」と返事をしたのは、これまでずっと制限され続けていたから。思うように達することができない辛さは、身をもって良く知っていた。
「了解。じゃあ頑張ろうな」
頬を撫でてきた奈津の綺麗な笑みを見て、つられた和真も頬を弛める。すると、「かわいい」などと囁かれたから、顔へと熱が集まった。
「かわいくなんか……あっ」
反論しようと口を開くが、言葉は途中で喘ぎに変わる。脚の間にいる薫が、ローションを纏わせた指で後孔へと触れたのだ。
「久しぶりだし、まずは中を綺麗にしないと」
「俺、準備してくる」
「ちょっと待ってて」と言い残し、奈津は部屋を出ていってしまう。
「あ……」
通常準備はバスルームやトイレで行うものだから、起き上がろうと身動 ぎしたが、「そのまま」と薫に言われて動くことが出来なくなった。
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