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 *** 「和真、口を(ひら)け」 「ん……うぅ」  視線の先、薫が和真へと水を口移しで飲ませている。朦朧(もうろう)とした様子の和真は、特に抵抗することもなく、何度かに分けて注がれる水を喉を鳴らして飲み込んでいた。  先ほど、『出したい』と懇願してきた和真を散々焦らした2人は、彼が限界を迎える間際を見計らい、抱いてトイレへと連れて行った。そして、脚を開かせてアナルプラグを抜き去った途端、排泄しながら和真は意識を失ってしまい――。  常ならば、無理矢理にでもその場で和真を起こすのだが、今日は意識の無い間に、アナルを綺麗に洗浄した。  今はベッドへと戻っており、奈津は和真の後孔内へと指でローションを馴染ませているが、意識を覚醒させてすぐ、無心な様子で薫の唇を啜る姿を見ているうち、すぐにでも彼を犯したいという強い衝動がわき起こる。      「先、俺でいい?」  尋ねはしたが、譲るつもりは毛頭(もうとう)無かった。「いいよな?」と付け加えなから前立腺を爪で弾く。と、指を食んでいる柔らかな肉がヒクリと蠢動するのが分かった。  緩く勃っている和真の性器を左の掌で包み込み、「和真、入るよ」と奈津が告げれば、薄い体を震わせた彼は、返事の代わりといったように、怖ず怖ずと脚を広げてみせる。 「いい子だ」 「うっ、んぅっ……」  尿道口を指先で擦れば、腰が淫らに揺れ動いた。 「了解。奈津が先、俺が後な」  和真とのキスを解いた薫が告げてくる。視線が絡んだその瞬間、本当の意味で心が(かよ)ったような気がして、奈津は口角を引き上げた。 「愛してる」  口をついたのは歯が浮くような台詞だが、恥ずかしいとは思わない。いつものように穏やかな笑みを浮かべた薫は「俺もだ」と答えたあと、奈津の唇にキスをしてからベッドを降りた。  室内にあるカウチソファーへ座る薫の姿を横目に、奈津はアナルから指を引き抜き、代わりに己の猛った性器で和真の中を満たしていく。 「あっ、あぁっ」  喘ぎが耳に心地いい。  久々に入る和真の中は、眩暈がしそうなほどに気持ち悦く、中を一気に貫きたいという衝動に駆られたが、奈津は必死に理性を保つ。  そして、ゆっくりと時間をかけて半分ほどを挿れたところで、喘ぎながらも不安げに揺れる和真の瞳の色に気づいた。 「ああ、薫が気になる? 今日は一人ずつしようって決めたんだけど、和真は一緒がよかった?」  それは、久々に抱かれる和真を(おもんばか)ってのことだったし、和真はもう、2人が繋がる為の道具では無いのだ……と、伝える意味合いでもあった。    最初にきちんと説明すれば良かったなどと反省しつつ、奈津が手短に思いを告げると、一瞬の逡巡を見せた和真だが……すぐに小声で答えを紡いだ。

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