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「ありがとう、でも……一緒が……いい」
「分かった」
体を折り曲げキスをしてから、薫の方へと視線を向ければ、再びベッドへ乗り上げた彼は着衣を脱ぎ、和真の頭上へ移動してから額へとキスを落としている。
「……っ、ああっ!」
半分ほど挿入していた性器を引き、角度を変え、前立腺を叩くように軽く中を穿てば、細い体をしならせながら呆気なく和真は射精した。
「我慢できなかった?」
そう告げてから、和真の放った白濁を指で掬い取り、見せつけるようにねっとりと舌を絡めて全てを舐め取れば、青ざめた和真は「ごめん……さい」と震える声で謝罪をし、奈津から視線を逸らそうとする。
「全部許すって言っただろ。謝らなくていい」
すかさずに告げた薫が和真の両頬を、手のひらで包みこんで固定した。
不安げに揺れる和真の瞳がまっすぐ奈津へと向けられる。きっと、怯える理由は2人より先に達したことで、折檻を受けるかもしれないと、頭よりも体が先に反応したからなのだろう。
カタカタと震える和真の姿に胸が鈍く痛むと同時に、自分達の手によって、そう躾られてしまった彼が心の底から愛おしくなった。
「溺れろ。何も考えなくていいから」
乱れた呼吸によって上下する薄い胸へと手のひらを置き、甘い声音で奈津が囁けば、強ばった彼の表情が……ほんの僅かだが和らいだ。
「……あっ……うぅっ……ん!」
浅い場所まで引いた性器で再び前立腺を擦り、萎えかけている和真の性器を緩く掴んで扱いてやる。と、「……ぃく、いくっ」と譫言 のように喘いだ和真が手を動かし、胸の尖りを彩るピアスを控えめな動作で弄 び始めた。
「かわいい。和真、俺も気持ち悦くしてくれる?」
「あ、あ……」
唇を指で拭った薫にそう問われ、すぐに意図を理解した和真が従順に口を開いていく。
そんな2人の姿を見ながらヘッドボードへと手を伸ばし、奈津は道具を取り出した。
「薫、これ」
「ありがとう」
それを薫へ手渡してから、狭い肉壁を広げるように少しずつ腰を進める。と、再び達した和真の後孔が奈津の性器を包み込むようにヒクリヒクリと伸縮した。
「あー、きもちいい」
「や……あっ……まって、奈津……いってる……から……うんぅっ」
「和真、間違えて噛まないように、これをつけてもいい?」
「あっ……あっ」
必死に言葉を紡ぐ和真に、開口具を見せた薫が柔らかな声音で問いかける。と、和真は愉悦に喘ぎながらも更に大きく口を開いた。
「セーフワードが言えなくなるから、手で合図な」と薫が伝え、開口具を嵌めたあと、大なクッションを和真の背中の下へと差し込む。
そして、仰け反るような格好となった和真の喉を一撫でし、性器を挿入しはじめた。
「うっ……ヴゥッ」
開口具を嵌めたのは、奈津の激しい律動によって、性器を噛んでしまわないようにという配慮からだ。
「喉、開いて吸えるか?」
「うぅっ……ん」
「上手だ。気持ちいいよ」
「ううっ……ぐぅっ!」
和真の痴態に煽られた奈津は、激しい動きで中を穿ち、先ほどの射精で萎えたペニスの先端を、指の腹で擦りながら会陰を強く押してやる。すると、今度はドライで極めた和真が薄い体を痙攣させた。
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