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現実バレンタインデーだから〜夢であえたら〜
『雨花ちゃん。今年はお兄ちゃんの男避けチョコ、雨花ちゃんに任せてもいい?』
二月の、ふっきーの誕生日前のことだった。
どこから聞きつけたのか、珠姫ちゃんがオレの携帯に電話をしてきてそう言った。
間違いなく梅ちゃんが、オレの携帯番号を珠姫ちゃんに教えたんだろうけど。
っていうか、皇にチョコ?!オレが?!
「チョコって……えっ?だってオレ、男だし。外出もままならないから、チョコなんて準備出来ないよ」
『ああ、チョコ自体は私が用意してもいいんだけど……。毎年みよしに頼んで、お兄ちゃんの机の中とかロッカーとか、色んなところにチョコを入れてもらってたのに、今年はみよしに断られちゃったの』
「え?梅ちゃんが断った?何で?」
梅ちゃんが珠姫ちゃんのお願いを断るなんて、考えられない!
『ええー……それ聞いちゃう?』
「え?聞いたら駄目なの?」
とか言い終わる前に、オレは嫌な予感がしていた。
『いや、聞いてくれてもいいけどー。みーちゃんがね?いくら兄妹でも、みーちゃん以外の誰かに、私がチョコをあげるなんてイヤだーとか言っちゃってー』
「……」
意味もなくムカっ……みたいな感情が湧いた。
あ。いやいや、珠姫ちゃんとか梅ちゃん個人がどうのってことじゃなくて……言ってみれば、リア充爆ぜろ的な意味合いで……。
『そんなこと言われちゃったら、みよしに頼めないじゃない?』
「……じゃあ、皇にはあげなくてもいいんじゃないの?」
そうだよ。何で珠姫ちゃんがチョコをあげられなくなったからって、オレが皇にチョコをあげなきゃいけないわけ?
『いいの?』
「は?」
『お兄ちゃんに何かあってもいいの?!』
「え?」
珠姫ちゃんは、それから切々と、どうして皇にチョコを渡し続けてきたのか説明してくれた。
その昔、バレンタインデーが来るたび、山ほどチョコをもらっていた皇は、きっちり全員にホワイトデーのお返しをしていたそうで。毎年、ホワイトデーあとには、想いを受け取って貰えたと勘違いしたストーカーまがいの奴らに、つけられるということが続いたんだそうだ。
『お兄ちゃんがきっかりお返しなんかするから、誤解されちゃうわけでしょう?でも、受け取っただけでも勘違いする人が中にはいたみたいなの。だからどうしたらいいって、とにかくお兄ちゃんがチョコを貰わないようにしたらいいんじゃないかって、家族会議で決まったのよ』
「はぁ」
ほのぼのした家族会議だなぁ。
そういうことで、珠姫ちゃんのチョコには、チョコレートをあげる気を失わせる香りを発するっていう、魔法じみた薬が混ぜてあったのだと珠姫ちゃんが自慢げに話した。
そのチョコを、皇の机やロッカーに仕込んでおいて、皇にチョコをあげようとする輩にその気を失わせていたらしい。
っていうか、その話ホントなの?
『鎧鏡家の薬司さんたちが開発した薬なんだって。普段、鎧鏡家のすごさとか感じることはないけど、それ聞いた時、初めてすごいなって思ったよ、私』
確かにすごい!でも鎧鏡家なら、そんな魔法みたいな薬も作れそう。
「っていうか、ホントすごいね。何なの?それ」
『私にも難しいことはわかんないけど、ただ本当にその年から、お兄ちゃん、一個もチョコを貰ってないの。すごくない?』
「すごい!」
鎧鏡家、すごい!
『ってことで、あとでその薬、雨花ちゃんに届けさせるから。それ混ぜて適当にチョコ作って、色んなとこに置いておいてあげて。よろしくね!』
「ええっ?!珠姫ちゃん!」
断る隙を与えず、珠姫ちゃんは電話を切った。
でも、電話が繋がっていたとしても、珠姫ちゃんのお願いを突っぱねるとか、オレには出来ない。だって今も珠姫ちゃんって、やっぱりちょっと怖いんだもん。
っていうか、その薬を混ぜて作ってあげてって……オレが手作りチョコを作るってこと?!
ええーっ?だって……梓の丸のキッチン、使っていいのかな?
どうしようと思っている間に、珠姫ちゃんからオレ宛てのバイク便が着いた。え?早っ!
開けるまでもなく、荷物の中身は、珠姫ちゃんが言っていた、チョコをあげる気を失わせるというあやしげな薬だろう。
小さな段ボール箱を丁寧に開けると、小さな金平糖みたいな、かわいい粒がいっぱいに詰まった小瓶が入っていた。それと一緒に、その怪しげな薬の使い方や注意点などが書かれた紙と、チョコの置き場所を指定する紙も入っていた。
小さなチョコレートの中に、この小さな薬を一粒を混ぜるだけで、絶大な『チョコあげたくない効果』を発動させると書いてある。
っていうか。薬司さんたちのこの頭脳を、もっと他の何かに有効活用出来ると思うんだけど。
注意書きを読むと、チョコに混ぜた12時間後から丸一日、その効果が続くと書かれていた。
「うーん」
とりあえず……ふたみさんに、キッチンの使用許可を貰おう。
「あの……ふたみさん?13日の夜、キッチンを使ってもいいですか?」
「え?どうなさいましたか?」
「あの……」
バレンタインデーの前日にチョコレートを作るとしたら、もうそれは、バレンタインのためのチョコ作り以外の何物でもない……よね?いくら鎧鏡家が、横文字表記のイベントを無視しているとしたって、普通の人ならバレンタインデーくらい絶対に知っている。
ここのキッチンで、バレンタインデー前日にチョコを作っていたら、何も言わずとも、皇にあげるチョコを作っているんだろうと屋敷のみんなにバレバレに違いない。
だったら先に言っちゃおうと、オレはふたみさんに、事情を説明することにした。
「あの、実は、皇にチョコを……」
と言った時点で、ふたみさんは『えっ?!』と驚いて、『若様にチョコレートを?!このキッチンで、若様へのバレンタインデーのチョコを作られるということですね?かしこまりました!どうぞお使いください。あ、雨花様、チョコレート菓子はお得意でいらっしゃいますか?うちのショコラティエを助手につけましょうか?』と、オレが事情を話す前に盛り上がり始めてしまった。
あ、でも、ショコラティエさん?ショコラティエさんに手伝って貰えたら、上手にチョコが出来るよね!
「うちにショコラティエさんっていたんですね?」
「はい。厳密には未だ修業中ではありますが……。雨花様の、あのチョコプレートをお守りすべく、うちの菓子職人の一人をショコラティエにしておこうと、修業に出し始めた次第です」
「ええええっ?!そうだったんですか?」
そんなこと、全然知らなかった!
「はい。まだまだ未熟者かとは存じますが、それなりの仕事は出来る程度には、チョコレートの扱いが上手くなっているようです」
「あ……じゃあ、ぜひ」
「かしこまりました。雨花様に腕前を披露出来て、その賄い方も喜ぶことでしょう。では13日の夜に。あ、材料などはどう致しましょうか?」
「えっと……何を用意していいのかわからないので……」
「かしこまりました。考えつく限りの材料を準備させておきます」
「ありがとうございます。助かります」
「いいえ。私こそ楽しみでございます」
ほくほく顔のふたみさんを見ていたら、珠姫ちゃんに言われたから、しぶしぶ皇にチョコを作るんだーなんて言えなくなってしまった。
ま、いっか。あんなに喜んでくれてるんだし、オレのヤル気もうなぎのぼりだし。
それにしたって、あのチョコプレートを守るために、ショコラティエの修業をしてる人がいたなんて……。何か、ものすごく申し訳ないなぁ。13日、何かお礼をしておこう。
あっという間に13日はやって来て、オレは夕飯のあとキッチンに立った。
ショコラティエの修業に出されているというのは、うちの賄い方の一人"柘榴 "さんで……。って、柘榴 っていう名前も、いちいさんやふたみさんと同じように、本名ではないらしい。もともと果物やデザート担当のその柘榴 さんは、ショコラティエを自ら志願して修業に出たのだと話してくれた。
「すいません……オレが、あのプレートを取っておいてほしいなんて言ったばかりに……修業なんて……」
「いえ。逆に、こんなチャンスをいただけたと感謝しきりです」
「え?」
「ショコラティエの修業に出ることで、より一層料理の世界に興味も湧きましたし、デザートを作るにしても、今までよりもたくさんの選択肢が生まれるようになりました」
柘榴 さんは、オレのデザート担当をしながら、ショコラティエの修業にも行ってくれているのだそうだ。
「本当にありがとうございます。あの、これ……もう持っているでしょうけど……これも一緒に使って貰えると嬉しいです」
オレは、用意しておいた製菓用品を柘榴 さんに渡した。
チョコレートを作るための道具を、色々と詰め合わせたものだ。
「雨花様……このような……」
「あの、本当にありがとうございます」
皇がくれたあのチョコプレートは、みんなに大事に守られてるんだ。
「一生大事に使わせていただきます!」
「柘榴 さん……ありがとうございます」
それから、柘榴さんや他の賄い方さんたちと一緒に、小さなトリュフを何個も作った。
皇は甘い物が苦手だし、人体に影響はないって書いてあったけど、おかしな薬も混ぜてあるわけだし、食べることはないだろうけど……。
万が一のことも考えると……やっぱりおいしく作っておきたいもんね。
そんなこんなで、夜中近くに、全てのトリュフを作り終えた。
あとは、明日の朝早く学校に行って、皇の机の中やロッカーや下駄箱なんかに忍ばせればいいだけだ。
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「雨花」
「え?どしたの?」
夜、窓を叩く音がしてカーテンを開けると、皇が立っていた。その腕に袋を抱えている。皇はひらりと部屋に入って来た。
「何?その袋?」
「そなたが作ったチョコレートだ」
「は?」
今朝、いつもよりだいぶ早く学校に行って、珠姫ちゃんに指定された場所に、夕べ作ったチョコレートを入れておいた。
皇が持っていた袋の中を覗くと、確かにオレがラッピングしたチョコレートがいくつも入っていた。
「驚くほど旨かった」
「えっ?!食べたの?」
「食うた」
あんなおかしな薬が入ってるのに、体大丈夫?
じっと皇の顔を見ると、何だかいつもより顔が赤い。熱?
「これ、珠姫ちゃんの代わりに作った、薬を混ぜたチョコレートだって言っておいたじゃん!」
皇には、事前にその旨は伝えておいた。
皇の額に手を置いたけど、別段熱が出ているようでもない。いつも通り、オレより少しあったかい皇の体温にホッとして手を離した。
「そなたが作った物だ。捨てるのも、誰かにくれてやるのも出来ぬゆえ、余が食うた」
「……」
もー!そんなこと言われたらキュン……とかするだろうが!バカ!
「だが、さすがにこの量全て一人で食べるには多い。そなた、チョコレートは好物であろう?そなたが作った物ではあるが、そなたもどうだ?」
「ええー……食べて大丈夫かな?」
「余がすでに食うて何の変化もない。腹も壊してはおらぬ。安心して食うが良い。驚くほどに旨いぞ」
皇は、ご丁寧にラッピングをほどいて、オレにトリュフを見せた。
自分で作ったんだから、見せられなくても出来栄えはわかってる。我ながら、見た目は上手に出来たと思う。味見はしてないけど……。柘榴さんに手伝ってもらって良かった。
「ん?食わぬのか?」
「んー……」
オレが手を出さないでいると、皇はトリュフを一つつまんで、自分の口に入れた。
そのまま、そのトリュフをオレの口に押し込むように、キスしてきた。
「んんっ!」
っていうか……。ホント、めちゃくちゃ……旨い!なにこれ?何この旨さ!こんなチョコ、食べたことない!
オレは、皇の口に齧り付く勢いで、皇が唇で挟んでいるチョコレートを求めた。
「んんっ……」
口を離すと、皇の口の周りはチョコだらけになっていた。
「あははっ。皇、チョコまみれ」
皇の口のチョコを拭おうと手を伸ばすと、その手を掴まれて、床に押し倒された。
「った……何?!」
「そなたが余を焚き付けた」
「は?」
「そなたがあのように……余を求めて参るとは……」
確かにオレ、さっきものすごい勢いでトリュフを貪ったけども。
「お前を求めたっていうか、トリュフがあんまりにもおいしかったからだし」
「あ?」
「オレが作ったトリュフ、めちゃくちゃ美味しいね」
「ああ、驚くほど旨い」
「だよね?」
「……まだ食うか?」
「……食べたい」
ふっと笑った皇は、また自分の口にトリュフを入れた。
さっきと同じように、口移しでトリュフを食べさせられたけど、やっぱりめちゃくちゃ美味しい!何、これ?柘榴さん、すごい!材料が特別なチョコレートだったの?っていうか、あのおかしな薬のせいじゃ、ないよね?
そのあと、皇に何個もトリュフを口移しで食べさせられている間に、皇が勃っているのに気が付いた。
うわっ……。
ドキドキし始めたと同時に、オレも、急に勃ち上がってしまって……。ちょっと……いくら皇が勃ってるのに気付いたからって、オレまで急に勃っちゃうとか……。
「青葉……」
皇に名前を呼ばれて、体が大きく震えた。皇の顔を見ると明らかに……その……やる気まんまんで……。
そんな顔を見たら、オレまでもう完全にやる気まんまんになってきちゃって……。
皇は、オレの服を引きちぎりそうな勢いで脱がせると、自分の服も全部脱ぎ捨てて、オレのペニスにガブッとかぶりついた。
「うあっ!」
もう……それだけでイキそうになって、腰を震わせた。
ちょっと……何?やばい……オレ……今日……おかしいくらい……何か……ものすごく……皇と……シタイ。
「す、めらぎ……」
あまりの気持ち良さに、オレのペニスを咥えこんでいる皇の頭を持って、いつの間にか皇の髪を、ぐしゃぐしゃにしていた。
「ああっ!あっ!皇っ!」
ジュブジュブという音を上げながら、皇はオレのペニスを口で擦り上げていく。
気持ち……いい……。
気持ち、いい……いい……ああ、もう……イッちゃう、よ。
「駄目っ!皇っ!駄目っ!ああっ!出、ちゃう……出ちゃう!」
そう訴えるのに、皇は口を離さずに、さらに喉の奥まで届くほど深く、オレのペニスを咥え込んだ。
おかしい。何度もイってるのに、全然萎えない。やっぱりあの薬のせいなんじゃないの?
そんなことを疑っている間もなく、皇は次から次へと、オレの気持ちいいところを攻めてくる。っていうより、体中どこをどう触られても気持ち良くて……おかしくなりそう。
声が枯れるくらい喘ぎ声を上げて、皇にされるがままイかされまくった。
「そなたが、これほどまでに余を求めるとは……」
皇は、嬉しそうに舌を絡めると、またオレの中にペニスを埋めた。
「ああっ!!」
全身が、ひどい快感におびえるように大きく痙攣する。
いつになったらおさまるのかわからない情欲が、皇の体を求めてびくびくと腸壁を波打たせた。
「青葉……青葉……」
皇も、いつになったら萎えるの?
二人でおかしいくらい求めあってる。
どこもかしこも……熱い……。
絶対、あの薬のせいだ。そうじゃないなら……オレも皇も……どうかしてる。
それでも……もうこのまま……皇と二人でおかしくなっちゃってもいい。
「あ、あっ……皇っ!」
「青葉……」
「皇っ……す、め……らぎっ!あっ!……んっ!」
熱い。熱いよ。溶けちゃいそう。
チョコみたいに溶けて……皇と混ざっちゃったらいいのに。
皇……。
「あ、つい……」
.:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜..:。
「……か。……雨花」
ハッと息を飲んで目を開けると、皇の顔が目の前にあった。
……え?
「す……めらぎ?」
あれ?ようやく、オレもお前も萎えたの?
「どうした?このように汗をかいて……空調の設定温度が高過ぎたか?」
「……こわ、かった……絶対あの薬のせいだよ!もうチョコ食べちゃ駄目だよ?」
「あ?」
皇の胸に顔を埋めると、思っていた感触と違う。あれ?皇、さっき全部脱いでたよね?……あれ?何で服着てるの?
「皇……服、着たの?あれ?……オレ、も?」
あれ?皇、オレに服着せてくれた?え?オレ、いつの間にか気を失ってたのかな?
「あ?」
その時、セミの鳴く声が聞こえてきた。
「えっ?!」
あれ?
バレンタインデーだった……の、に……あれ?
「何の夢を見ておった?」
そう言われて皇から視線を外すと、ここが合宿所だということがわかった。
「……」
えっと……。まだ回らない頭に、どんどん記憶が蘇ってくる。
今日はまだ夏で、今は受験勉強合宿中で、今日は皇が、誰にも渡る日じゃないからって……またこっそりオレのところにやって来て……オレ……いつの間にやら、寝てた?
夢?バレンタインデー、全部夢?うわぁ……なんつう夢を見てるんだよ?オレ!
「どのような夢を見ておった?」
「は?」
どのようなって……言えるか!
「そなた、何やら必死に余を呼んでおった」
「嘘!?」
「真だ」
ゴクリと唾を飲み込むと、皇はベッド脇のティッシュを一枚取って、オレの額の汗を軽く拭いた。
「怖い夢だったのか?」
「……わ……忘れた」
深く聞かれると困るから、嘘を吐いた。
「嘘を申せ。先程余に、服を着たのかと聞いたな?どのような夢だったか、話して聞かせよ」
皇がニヤリと笑った。
ぎゃあっ!何て言ったらいいの?!何てごまかせばいいの?!
「い……言ってない」
何だ?このわかりやすい嘘。
「ふっ……そうか」
あれ?誤魔化せた?と安心して、小さく息を吐いた途端、掛けていた布団をバッと剥がされた。
「えっ?!」
「そなたの嘘など、お見通しだ。このように膨らませおって」
皇は、オレのペニスをズボンの上からギュッと握った。
「ふぁっ!」
「そなた……寝ながら何度も申しておった。皇……もっと……と」
「嘘っ!そんなこと言ってない!」
「言うておった」
「夢の中でも、そんなこと言ってなかったもん!」
「やはり覚えておるのではないか」
げっ!
「どのような夢であった?ん?夢で余は……そなたにどのように、触れた?」
皇の指が……ズボンの中にそっと入って来た。
「んんっ!」
「夢で勝手に余とまぐわうとは……現実の余のほうが、ずっと良いと思い知らせてやる」
そのあと……夢の中よりも断然意地悪な皇に、めちゃくちゃ攻められた。おかしな薬とか食べなくても、オレは怖いくらい……何度もイカされることになったっていう……。
気になるのは、さっきまでの夢が、あまりに鮮明だったこと。鮮明な夢って、正夢になるとか聞いたことがある。
……どうか、正夢になりませんように!
……いや。正夢になっても、いっか?
「……」
って、恥ずっ!何を考えてんの?オレ!
あー今度のバレンタインデー……どうなるんだろう?
怖いような……楽しみなような……。
Fin.
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