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「……太田?」 「あいつより俺の方が絶対工藤のこと好きやし。工藤はそれに気づいてないだけやから、無理やりでも1回俺のもんになったら分かってくれるやろうて思うてん。やから、花を注文して工藤を家に呼んでん」  その言葉の意味を理解したのと同時に頭の中に危険信号が走った。  ここにいたらあかん。  そう思って、立ち上がろうとしたのだが。  え?  くらっとめまいのような感覚があって、そのままその場に再び座り込む。 「……薬、効いてくれたみたいやな」  その様子を見ていた太田がぼそっと呟いた。恐怖に近い感情が心の中に広がっていくのを感じながら、太田を睨む。 「お前、何したん??」 「何って。コーヒーにちょっと薬混ぜただけやん。大丈夫やって。ちょっとの間、体の自由が効かへんくなるくらいやから」  ちょっとしか飲んでくれへんかったから効かへんかと思うたけど。とブツブツ言いながら太田が立ち上がって、近付いてきた。  逃げようとするが、手足が痺れてきてうまく体が動かなかった。ずりずりと後ろへと下がるしかなかった。  あっという間に、太田に跨がられてそのまま押し倒された。 「ちょっ、やめろやっ、太田っ!!」 「止めへんよ。だって、工藤は俺のもんやから」 「何言うてんねんっ!! 俺はお前のもんちゃうわっ。放せやっ!!」 「……なんで分からへんかな」  しゃーないなぁ。分からしたるわ。そう言って、太田が顔を近づけてきた。

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