23 / 25
洋介の本音
無理やりのようにキスされて、そのまま舌が入ってくる。
「ちょっ……よう……ん……」
洋介の舌が執拗に亜貴の舌を追いかけてきた。最初は戸惑うようにそのキスを受け止めていたが、求められるにつれ段々と体の力が抜けていき、気づいたら全力でそのキスに応えていた。
「ん……はっ…ん……」
角度を変えて何度も唇を重ね、舌を絡ませ合った。どれくらいそうしていたか分からなくなる頃。そっと洋介の唇が離れていった。至近距離で見つめ合う。
「……待て言うてるやろ」
「洋介……」
「ほんまに……ベラベラ勝手に喋りまくって、なんやねん、お前」
「だって……」
「亜貴」
「……なに」
「……俺は、お前と付き合い出したこと、一度だって後悔したことなんかないわ」
「…………」
「ちゅーか、お前が俺のもんになってくれて最高にラッキーやと思うてるわ」
「洋介……」
意外な言葉だった。そんな風に思ってくれてるいなんて思ってもみなかった。普段、冷静であまり自分の感情を出さない洋介だからこそ、そこに嘘がないことも分かる。
洋介が少し言うのを迷うような表情を見せた後、覚悟を決めたように亜貴の目を見て話し始めた。
「……こんなん口に出して説明するのめっちゃ恥ずいねんけど。言わなあかんと思うし、言うわ」
「……なに?」
「……怖かってん」
「え?」
「お前と最後までするんが」
「……なんで?」
「……一度、最後までしたら、俺、もう止まらへんと思うてん」
「……どういうこと?」
「いや、その……お前に言うてなかったけど……俺も結構年季入ってんねん。お前への気持ちが」
「……そうなん?」
「おん。たぶん、お前と同じぐらいの年季の入りようやから。その分、その……欲も溜まってるいうか……」
「それって……」
「まあ、そういうこと。溜まり過ぎて、歯止めが利かんくなったらどうしようかと思うて、ストッパーかけててん」
「そんなん……歯止め利かんくたってええのに」
「よくない。お前、分かってないねん。歯止めが利かんくなった俺が何しでかすか」
「……そんな凄いん?」
「えげつないで」
「…………」
それはどれくらい『えげつない』のだろう。自他共に認める好青年の洋介からは想像ができなかった。
ともだちにシェアしよう!