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とっておきの愛の言葉
そんな亜貴の考えを読んだように洋介が答えた。
「俺も実際したことないから分からへんけど。やけど、俺の中の想像でやったらお前はもう何十回、何百回と俺に犯されて色々させられとるわ」
「色々……」
ほんの少しだけ。不安な気持ちが頭をよぎった。自分は一体何を色々とさせられるのか。
洋介が軽く額にキスを落としてきた。見上げると欲を含んだ洋介の瞳が目の前にあって、ドキリと胸が鳴った。
「やけど、もう決めたわ。ストッパーかけて、亜貴を不安にさせるくらいやったら。もう自制するのやめるわ」
「え……うわっ」
洋介の両手に両肩を押されてそのまま床へと組み伏せられる。
「亜貴。覚悟しとけよ。もうどうなっても知らへんからな」
「洋介……」
洋介はアホやな、と思う。何にも分かってない。洋介と付き合いだしてから。いや、きっと洋介を好きになった時から。覚悟なんて。
「そんなん、とっくの昔にできてるで」
ニコリと笑って答えた。洋介が少し驚いた様な顔をして、それからゆっくりと笑った。
「亜貴」
「ん?」
「……愛してる」
「…………」
これはヤバい。これは予想してなかった。ずっとずっと、聞きたかった洋介からの言葉。まさか『好き』の上をいくなんて思ってもみなかった。
真剣な顔の洋介を見つめる。その瞳から、この言葉が軽いものじゃないことが分かる。洋介のありったけの勇気がこもった、とっておきの愛の言葉。
誰にでも使えるわけじゃない。何度も使えるわけでもない。大切な、特別な人へだけに。
だから。自分もありったけの愛を込めて。
「俺も愛してる」
洋介が微笑んだ。亜貴も微笑み返す。
スローモーションのように洋介の顔が近付いてきて、2人はゆっくりじっくりと1つになった。
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