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第284話

「ちょ……ッ、遼……!」 「すまなかったな、紫月。俺のせいで、とんだ目に遭わせちまった」 「や……、ンなの……。俺はだいじょぶだし……お前だってすぐに助けに来てくれたじゃん」 「正直――気が気じゃなかった……!」  そんな会話の合間にも、毟り取るように服が乱されていく――  時折腰元を掠める鐘崎の雄が、まるで怒張の如く硬く熱くなっていて、組んず解れつといったようにベッドへと縫い付けられる。 「紫月、すまねえ――本当はゆっくり休ませてやらなきゃいけねえって分かってっけど……我慢できねんだ……。お前が今、ここに居るってことを確かめねえと……ちゃんと俺の腕の中にあるってことを実感しねえと……おかしくなりそうなんだ……!」  熱くとろけ掛かった視線に、熟れて落ちそうな程に紅潮した頬。と同時に、激しくシャツを引き裂かれる。ボトムを脱がすのもまどろっこしいといったふうに、下着ごと毟り取った鐘崎に組み敷かれながら、紫月もまた触れた途端に火傷しそうなくらいに色白の頬を真っ赤に染め上げた。  シーツを乱し、服はぐちゃぐちゃに脱ぎ捨てて、全裸になって互いの存在を確かめ合う。 「紫月――! お前を俺の身体の一部にしちまいてえくらいだ……! もうぜってえ、どこにもやらねえ……ッ」 「遼……ッ、あ……っう……」 「お前のスマホ、電源が落とされててな。今回はたまたま氷川たちがあのフードコートに居合わせてくれたからすぐにも居場所が辿れたが……そうでなけりゃ、もっと時間を要した」  存外真面目な話をしながらも、鐘崎の愛撫は激しく紫月の全身を弄り続ける――。紫月にはそのギャップが堪らなかった。まるで強姦といえる程の激しい愛撫にゾワゾワと渦を増した欲情が背筋を這い上がる――。 「りょ……じッ……遼……! 好……好き……! すげえ……好……ッ」 「ああ――俺もだ」 「……っと、も……っと……めちゃくちゃに……してく……れ!」 「ああ――」  既にガチガチに硬くなった雄から滴り落ちる雫が互いの腹を濡らし合う。鐘崎の大きな掌がそれらを握り、包み、揉みしだき――紫月は愛しい男の腕の中で、感じるままに熱い吐息と嬌声を漏らし続けた。 「ローションも唾液も――必要ねえな」  鐘崎は紫月を後方から抱き包み直すと、自らの怒張を彼に擦り付け、何度も何度もしつこいくらいに紫月の身体中をなぞった。 「遼……ッ、焦らすな……早く――」 「欲しいか?」 「ん……ん……欲し……」  紫月は鐘崎の逞しい腕の中で思い切り頭を揺らし、髪を乱しながら欲するままに身を任せたのだった。 ◇    ◇    ◇

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