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伴侶の自覚(2)

「どうって…」 俺は初めてルースと会った時のことを思い出していた。 金の疾風の如く現れたルース。 顔を見た瞬間、背中を甘い電流が走り、愛おしい、物苦しい、会いたくて切なくて待ち遠しかった…言葉にできないあらゆる感情が湧いてきて、息をするのも忘れてしまいそうだった。 頬を染め黙ってしまった俺に、ガルーダは優しく 「ひょっとして、愛おしくて切なくて、何とも言えない思いに包まれたのではないですか?」 「何で!?どうして分かるの、ガルーダ?」 「それと、甘く痺れるような感覚と。」 「ガルーダ、どうして?俺、何も言ってないのに、どうして?」 焦って言う俺に、ガルーダは、ふふっ、と堪え切れずに笑みを零すと 「それが番の証なんですよ。 ルース様もそう仰っていました。 …私もそうでしたから…」 「えっ!?番がいるの?結婚してるの? …まさかガルーダも…男性で子供を?」 「ふふっ…はい。最愛の伴侶がおります。 私が生み、成人した子供も2人。空軍の長と個隊長をそれぞれに務めております。」 「…ガルーダって一体何才?」 「さて、幾つになりましたか…もう忘れてしまいました。私のことはまたお時間のある時に… ルース様は最初から分かってらっしゃいましたが…霙様がルース様のことをそのように感じられたのであれば、間違いありません。 お二人は間違いなく番ですよ。 身体の何処かに、番しか見つけられない痣も出来ているはずです。」 「痣?」 「はい。番の印とでも言いましょうか、薔薇の花の形をした痣なのです。」 「もし、もしも俺とルースが番なら、俺達二人にしか分からない痣があるってこと? どうやって調べるの?」 「それは…(ねや)での睦事の際に。」 閨…睦事… 「それって、それってセッ」 バァーーーーーン!! 「霙っ!霙、気分はどうだ?起きれるか?」 「ルースっ」「ルース様…」 朝っぱらから息を切らして、話題の張本人のルースが飛び込んできた。

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