10 / 191
伴侶の自覚(2)
「どうって…」
俺は初めてルースと会った時のことを思い出していた。
金の疾風の如く現れたルース。
顔を見た瞬間、背中を甘い電流が走り、愛おしい、物苦しい、会いたくて切なくて待ち遠しかった…言葉にできないあらゆる感情が湧いてきて、息をするのも忘れてしまいそうだった。
頬を染め黙ってしまった俺に、ガルーダは優しく
「ひょっとして、愛おしくて切なくて、何とも言えない思いに包まれたのではないですか?」
「何で!?どうして分かるの、ガルーダ?」
「それと、甘く痺れるような感覚と。」
「ガルーダ、どうして?俺、何も言ってないのに、どうして?」
焦って言う俺に、ガルーダは、ふふっ、と堪え切れずに笑みを零すと
「それが番の証なんですよ。
ルース様もそう仰っていました。
…私もそうでしたから…」
「えっ!?番がいるの?結婚してるの?
…まさかガルーダも…男性で子供を?」
「ふふっ…はい。最愛の伴侶がおります。
私が生み、成人した子供も2人。空軍の長と個隊長をそれぞれに務めております。」
「…ガルーダって一体何才?」
「さて、幾つになりましたか…もう忘れてしまいました。私のことはまたお時間のある時に…
ルース様は最初から分かってらっしゃいましたが…霙様がルース様のことをそのように感じられたのであれば、間違いありません。
お二人は間違いなく番ですよ。
身体の何処かに、番しか見つけられない痣も出来ているはずです。」
「痣?」
「はい。番の印とでも言いましょうか、薔薇の花の形をした痣なのです。」
「もし、もしも俺とルースが番なら、俺達二人にしか分からない痣があるってこと?
どうやって調べるの?」
「それは…閨 での睦事の際に。」
閨…睦事…
「それって、それってセッ」
バァーーーーーン!!
「霙っ!霙、気分はどうだ?起きれるか?」
「ルースっ」「ルース様…」
朝っぱらから息を切らして、話題の張本人のルースが飛び込んできた。
ともだちにシェアしよう!