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確かめ合う(6)

ぼそぼそと誰かの話し声が聞こえる。 ん……ここは何処?俺、確かルースと……ルースと…… 「うえっ!?」 昨夜のアノコトが脳裏に蘇り、反射的に起き上がってベッドから降りようとした途端に、足の関節の力がかくんと抜けて、ベッドから転がり落ちた。 「痛ってぇ……」 「霙っ!どうしたんだっ!?」 上半身裸のルースが飛んできた。軽々と抱き上げられてベッドに戻された。 いつの間にかロングワンピースみたいな服も着せられていた。 「霙、怪我してないか?何処か打ってないか?」 「ルース…うん、大丈夫、だと思う。 あの、えーっと、あの……オハヨウ。」 「うん、おはよう。 夕べ無理させたから……すまない。 今日はこのままここでゆっくりと休んでくれ。 食事はここまで運んでくれるように頼んだから。」 ルースは愛おしげな目で見つめたまま、俺の髪の毛を撫で付けると、その手を頬に滑らせ抱きしめてキスをしてきた。 『夕べ』 その言葉に、ぼふんと全身が赤くなった。 そうだ。俺が強請って、結局最後まで……ああっ、此処は嫌だとかダメだとか言っておいて、自分で誘って煽って……ううっ……節操なしの俺。 はぁ、とため息をついて目を開けると、目の前にルースの胸があった。 その真ん中に、真紅の薔薇の花のような痣が浮かんでいる。 あれ?夕べこんなのあったっけ? 薔薇?薔薇…薔薇!!! 「ルース、この薔薇……ガルーダが教えてくれた……」 「あぁ。番の印だ。霙にもできているぞ。」 「えっ!?俺にも!?何処に!?」 ルースはニヤリと笑うと、俺の服の裾をたくし上げた。 「うわっ、えっ!?ルース、何すんの!?」 「ほら、此処に。」 「えっ、あ………」 指差されたそこは、左足の太腿の付け根の内側。 今まで、こんなのなかったのに。 ルースのよりも小さいけれど、色鮮やかにその存在を誇っている。

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