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確かめ合う(9)
結局、誰かさんのせいで動けない俺は、その日の大半をベッドの上で過ごした。
あれやこれや過剰なくらい俺を構いたがるルースに、段々と多少の面倒臭さを感じながらも、それを嬉しいとも思う自分の変化に戸惑っていた。
状況報告は定期的に伝えられてくる。
誰かが入ってきたり見られたりするわけでもないのに、ベッドにいる俺はノックの度に布団に潜り込む、という行為を繰り返しては、ルースに笑われキスの嵐を受けていた。
報告によると、幸いにも赤死病の蔓延は阻止できた上に、日頃病気で苦しんでいた人達もお医者様に診てもらい治療を受けることができていた。
レイチェは熱も下がりすっかり元気になって、待機期間を手持ち無沙汰に過ごしているそうだ。
古傷が痛むと言っていたキリヤも、そう深刻な状態ではなかったらしく安心しているらしい。
今まで医者にかかれなかったその他の人達も、順次治療を受け、手術が必要だと判断された人は後日手筈を整えてから、ということになったそうだ。
「本当に良かった。
ルース、ありがとう。イスナにもお医者様が来てくれるといいんだけど。」
「そうだな。イスナからも医者を目指す者が出てくれば尚いいな。」
「……ルース、イスナとの関係はこれからどうするつもり?
まぁ、俺が口出しするのも変な話なんだけど。」
「そうだな。この騒ぎが落ち着いたらキリヤと直接話をしようと思っている。
もうこれだけ独立した体制を作り上げているからな。
勿論こちらのお偉方にも相談は必要だけれど。
何れにしても、お互いが良い方向に行けばいい。」
「ルースはやっぱり凄い王様なんだね。
いつも皆んなのことを考えてて。」
「何言ってるんだ!?
俺が1番に考えるのは、霙、お前のことだけだぞ!?
確かに国内外全て上手くいくように皆んなの手を借りて政務にあたってはいるが……俺の1番は霙だから。」
熱っぽく見つめられて語られて、体温が一気に上がった。
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