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確かめ合う(10)

コンコンコン 「チッ…イスナの奴らは空気を読むということを知らんのか…」 ぶつぶつ文句を言いながらも、ルースがドアを開けて定時の報告を聞いていた。 俺はその間に、溜まった熱が少しでも早く抜けるように何度も深呼吸を繰り返した。 マズい。2人っきりはマズい。 お互いがすぐその気になってしまう。 何とか回避する方法はないものかと思案を巡らす俺の耳に、急にトーンの低くなったルースの声が聞こえてきた。 「…何!?……そうか……それで?……分かった……引き続き頼む。」 いつもの報告は俺にも聞こえるように割と大きめな声で対応してくれるのに。 だから今日も最初の方は、現状どうなっているのかその進捗状況が俺にもダイレクトに伝わってたのに。 どうしたんだろう。 何かあったのだろうか。 何か嫌な予感がする。 あっ!!! ルースと結ばれちゃって幸せ過ぎて忘れていたけど、命が狙われていることと何か関係があるんじゃないだろうか。 そうだ、俺、狙われてたんだ! 今更ながら呑気な自分に呆れ返った。 俺の側に戻ってきたルースは何となく難しい顔をしていて… 「ルース?」 俺が呼び掛けると、ふっ、と微笑んだ。 「どうした、霙?」 そして布団ごと俺を抱き込んだ。 「…ルース…何かあったの?嫌な知らせ?」 「大丈夫だ。何でもない。」 俺はルースの胸をぐっと突っ張り、視線を合わせて告げた。 「『隠し事はしない』そう決めたんじゃなかったのか? (まつりごと)に関することなら口は出さないけれど…俺の命が狙われていることと関係があるんじゃないのか? もしそうなら、はっきりと俺にも教えてほしい。 もう二度とすれ違いをしないためにも。」 ルースは俺をじっと見つめていたが 「…そうか、そうだったな…霙、悪かった。」 そう言って、再び俺を抱きしめてきた。

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