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確かめ合う(11)

ルースの温もりと匂いと…愛に包まれることに慣れた身体と心は、ひと時も離れたくないと訴えている。 誰かに依存したことがない。 誰かに甘えたこともない。 そんな俺が『絶対に手放したくない』と希う唯一の存在。 甘え甘やかされることを知った今、絶対に守りたい。 ルースは俺を抱え直すと、真っ直ぐに見つめて言った。 「キリヤが内偵していたその報告を受けた。 身元がハッキリしない者が12名。 その内の11名はその身分やイスナの者との関係が判明した。 残る1人が…分からない。捜査を開始した途端行方不明になっている。 もしかしたらソイツが刺客かもしれない。 警護を強化するけれども気を付けるように、と言われたんだ。」 「…そうだったんだ……分かった。 俺は何をすればいいの?」 「今のままでいい。普通にしていろ。 後のことは俺達に任せてくれ。 俺の側を離れるな。絶対に守る。」 不思議だ。 俄然、勇気が湧いてきた。 「分かった。」 ふにゃ、と笑ってルースにくっ付いた。 うん、大丈夫。 ルースの側にいれば安心だ。 ふふっ、物凄く心地良い。 頭上からため息が聞こえた。 あれ? くっ付いたらダメだった? 不安に駆られて顔を上げると、顔を赤くし、困った顔のルースがそこにいた。 「…ルース?」 「霙…あんまりかわいいことをしてくれるな。 このまま服をひん剥いて押し倒しそうになってる。 お前が意識を飛ばしても求めてしまいそうで… 俺は今、必死で戦っているんだ。」 「ひっ」 俺は慌ててルースから離れた。 「ちょっ、ちょっと落ち着いて! ね、ルース! そうだ、深呼吸しよう! はい、吸って、吐いて…もう一度、吸って、吐いて……」 「霙。」 少し離れた身体を再び抱きしめられた。 「…分かっている……だが、もう少し、このままで……」 違う意味のダメだったんだ。 俺ももう一度、背中に回す手に少し力を込めた。

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