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激震(3)

微かにヒュッという音が聞こえたような気がした。 「霙っ!!!うっ」 ルースの大声と呻き声、俺にのし掛かる大きな身体。 金色の光がたちまち失われた。 「ルース?」 咄嗟にルースを支えた俺の右手に何か濡れた感触がする。 何だこれ? 鼻につく鉄の匂い…まさか。 ルースの左肩に、じわりと赤い染みが広がっていく。 「ルース?…ルース?ルースっ!?」 ルースは荒い息を繰り返すばかりで答えてくれない。 俺たちの周りに警護の武人達が立ちはだかる。 にわかに辺りが大騒ぎになってきた。 「誰かっ!ドリナ先生、ドリナ先生を呼んで! ルース、ルース、しっかりして! ルース!俺が分かるか?ルース、ルースっ!」 ルースは俺の呼びかけにも答えない。 何で!?どうして!? 一体誰が!? 「ルース、ルース…ルースっ!」 騒然とする中、人並みを掻い潜ってドリナ先生が来てくれた。 「ルース様っ!これは……霙様はご無事ですか?どこかお怪我は? 早くルース様を中にっ!」 「俺は大丈夫!だけどルースがっ!」 「先生っ、こっちだ!おいみんな手を貸せ!」 キリヤが先頭を切って案内してくれる。 みんながルースをそっと担いで、俺はその手を握って…握った手が段々冷たくなってくる…… 「先生っ、ルースはどうなるの? お願い、ルースを助けてっ!!!」 「霙様。我々は全力を尽くします。 幸いなことに、今ここには経験を積んだ医者が勢揃いしています。 絶対にお助けします!」 そう言って、ドアが閉まった。 「お妃さん、しっかりしろ!大丈夫かっ!?」 キリヤが側に来てくれた。 「…俺は大丈夫だ。 一体誰がルースをこんな目に……絶対に許さないっ!」 「お頭ぁーっ!犯人らしき奴を取り押さえましたっ! 舌を噛み切りそうになったので口かせをしていますっ!」 「よしっ!国の軍隊長は何処だ!?」 「一緒に取り押さえたので、そのままそいつについてますっ!」 「キリヤっ、俺も行くっ!」

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