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炙り出し(19)

「はあっ!?何ですって!?また!?どうして!?」 「ご自身が囮になると仰って…インティラと共にこちらに向かっているものと思われます。」 ガルーダは頭を抱えた。 「何てこと…ついこの間命を狙われたばかりだというのに… 無鉄砲で感情で動き過ぎるっ! 誰か…あの方に鈴の付いた首輪でも付けてくれないだろうか…」 思わず漏れたガルーダの呟きに、フォルダは吹き出した。 「…フォルダ、笑っている場合ではないですよ… それで?霙様とインティラは今何処に?」 「人目につかぬように飛行しているものと…… イスナのキリヤも後を追ってくれています。 私はとにかくガルーダ様にお伝えせねば、と飛んできた次第でして。」 「そうですか…霙様の龍選(じんせん)としては間違ってはいない。今回は、その点は賢明なご判断のようです。 だが彼は黒龍…闇に紛れたら見分けが付かない… しかし、霙様も何を考えて囮などと…誰か入れ知恵でもしたのではないでしょうね?」 「いいえ、滅相もない! 『ガルーダやエルグが何を言われても耐えて頑張ってるのに、番の自分が何かできることはないか?』 と仰って…一度は諦めて下さったと思ったのですが…一筋縄ではいかないお方でした…」 「ルース様だけにお伝えすれば良かったのか… いや、ひとりだけ除け者にすると後が余計にややこしくなるから、と思ったのが仇となったか。 とにかくお着きになったら私の部屋へ誰にも見つからないようにお連れしてほしい。 一刻を争います。 フォルダ、疲れているでしょうが、すぐに出立して何とか霙様を確保して下さい! あなたの飛行能力なら造作もないことだと思うが… キリヤと挟み撃ちにすれば、大事になる前に何とかなるでしょう。」 「勿論です! お止めできなかった私にも責任がありますから。 では、失礼いたします。」 弾丸のように飛び立ったフォルダを見送りながら、ガルーダは何度目かのため息をついた。

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