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炙り出し(22)
闇に紛れてそっと城内に降り立つと、ガルーダの元へ急ぐ。
「失礼いたします。」
3人は辺りを見回して慎重な上にも慎重な動きで、ガルーダの部屋へ忍び込んだ。
「霙様っ!」
「…ガルーダ、ごめんなさい…」
「全くあなたというひとは…ご無事で良かった…
フォルダ、お疲れ様。本当にありがとう。
インティラ、明日にでもゆっくりと話を聞きますからね。
2人とも、そちらの客間でお休みなさい。食事も用意してありますから。」
胸に飛び込んできた霙を抱きしめて、その背中を優しく摩るガルーダの労いを受け、フォルダとインティラは暇乞いをしてその場を後にした。
あとはガルーダ様にお任せするとして…
「…インティラ…」
「うっ、はっ、はいっ」
「…あちらで話を聞こうか…ゆっくりとな…」
「ひっ、ひいっ…お、お手柔らかに…」
「霙様がご無事だったからいいようなものの…何かあれば今頃灰になっていたところだぞ。
昼から何も食べていないだろう。
ガルーダ様のご好意だ。
ありがたくいただくとしよう。
さ、来い。」
「…はい…」
インティラはトボトボとフォルダの後に着いて行った。
「…ぐすっ、ガルーダ、ひぐっ、ごめんな、さいっ…」
「霙様、ほら、泣き止んで。もう謝罪は結構ですよ。
でも私は寿命が縮まるかと思いました。」
「ぐすっ…ひぐっ…ごめんなさい…」
「私達のことを心配して下さるのはありがたいのです。
でも」
「分かってる!…ぐすっ、分かってるけど…俺も、俺も役に立ちたかったんだ!…えぐっ…」
「霙様…」
はぁ、とため息をついたガルーダは
「グルディは我が身のためなら平気でひとを蹴落とし、前神官を陥れラジェ様さえも利用するような狡猾な奴なのです。
何を仕掛けてくるか分からないのですよ。
そんな奴のところへ無防備に飛び込んで行こうとするなんて…無茶にも程があります!
まだ完全に回復していないルース様まで、あなたを追って城に戻ろうとされているんです。
…どうなるかお分かりですよね?」
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