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反撃(3)
奥の間に続く廊下に誰かが倒れている。
アレは……
「サラエっ!?」
抱き起すと、うっ、と呻き声を上げたサラエは、ゆっくりと目を半分開くと
「ナガールが…ナガールを…たの…」
それだけ告げると、またがっくりと気を失った。
「もーう、絶対に許さないっ!!!」
サラエをそっと床に下ろしたルウルウは、大きく深呼吸すると、一直線に奥の間に走り出した。
細やかな彫刻が施されたドアの前に立つと、中からナガールの泣き叫ぶ声が聞こえた。
「いやぁーーっ!誰かぁーーっ!助けてぇーっ!サラエーーーっ!
いやぁーーーーーっ!!!!!」
ルウルウの怒りは頂点に達した。
ドアノブを回すと、誰もここまで来ることはないと油断をしたのか鍵がかかっていなかった。
バァーーーーーン!!!
目の前の天蓋付きのベッドの上では、今まさに凌辱が行われようとしていた。
「こんの鬼畜がぁっ!!!」
ルウルウは大声で叫ぶとベッドに飛び乗り、ナガールに跨る男の首根っこを引っ掴んだ。
「ぐえっ」
そいつを思いっ切り後ろに引き倒し、ベッドの下に蹴り飛ばした。
「ぎゃあっ」
「ナガールもう大丈夫!助けに来たわよっ!」
「うわぁーーーんっ!!ルウルウ…うぐっ、うぐっ」
ルウルウは、縋り付いて大泣きするナガールの背中をずっと撫でてやった。
そして、引き裂かれたナガールのブラウスをそっと合わせ、辺りを見回し、目に付いたテーブルクロスを取ってきた。
ついでに、床に転がった男の鳩尾に鉄拳を2回喰らわせて。
「肋骨3本はイったわね。」
ふと、ベッドの横を見ると誰かが寝ている。
「ふえっ!?誰、これ!?
あ…もしかして、ラジェ!?
なーんで真っ裸なの!?
ははーん……コイツにヤラせた後、ラジェに既成事実だと思い込ませようとしたって訳か…
んんっ!?」
ついつい目がいったそこには……
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