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反撃(4)
「あらぁ…やだ…見ちゃった…
これって……父様 達より『格段に』小さいわよね…まぁ噂されるほどのものじゃないと思うけど…“規格外”って感じかぁ…」
ついついマジマジと見詰める先には、裸のラジェに一応男の印がついていた。
「あぁあー、気の毒なラジェ。
あんな噂を流されるなんて、ラジェは余程味方であるべき乳母に、嫌われてたのねぇ…」
ため息をついたルウルウは、近付く2人の足音に気付き大声で叫んだ。
「アシェナっ!ウーガっ!」
息せき切って飛び込んできた2人に微笑んだ。
「大丈夫!ナガールは無事よ!」
ルウルウの足元に横たわるソレに気付いて覗き込んだ2人は、思わず吹き出した。
「はぁっ、コイツ何してんだ!?」
「いやだぁ…変なモノ見ちゃったじゃないのっ!…父様達よりも小さいことは確かよね!?」
「ぶふっ!アシェナもそう思った!?
ラジェを脅すいいネタができたわ。
ところでナガール、この男、知ってる?」
「ひっく…うぐっ…従兄弟の、ジェリクよ…コイツまで関わってたなんて……」
「肋骨イっちゃってるから、医者に見せた方がいいけど。ま、後でいいか。
さーて、そろそろラジェに起きてもらいましょうか。」
ルウルウはナガールをアシェナに預けると、花瓶から薔薇をそっと退け、中の水をラジェの顔にぶちまけた。
「うわぁぁぁーーっ!」
水浸しになり飛び起きたラジェは叫んだ。
「何だ、何だよっ!
うわあっ、お前ら何でここにいるんだ!?
ああっ、見たのか!?俺のを見たのか!?」
「あら、一応気にしてたの?
あははっ、ばーっちり見たわよ!
私達を処分しようとしても、そうはいかないわ!
そんなことしたら、“ソレ”のことも、味方であるべき乳母にすら嫌われてることも、今すぐ言いふらしてやるからっ!」
ラジェは真っ赤になりながら布団に潜り込んだ。
「黙れ黙れっ!クビだ!お前らクビだっ!
出て行けっ!今すぐ出て行けっ!」
「だーかーらー。それは無理よ。」
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