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反撃(8)

霙は吃驚した。 「何で!?どうしてレイチェが!? エルグが保護って一体どういうことなんだ!?」 「レイチェなりに考えたんだと思います。 自分の命を助けてくれた霙様を今度は自分が助けなきゃ、と。 霙様、もはやあなたおひとりの命ではないのです。どうか御身大切に。」 ガルーダだけではなく若いルウルウにまで諭されて、流石に霙も反省していた。 自分の軽はずみな行動が、あの幼いレイチェまでも巻き込んでいたなんて…。 エルグからの伝令によると、こっそりと大人の会話を聞いたレイチェは、霙を助けるという使命感に燃えて誰知らぬ間にイスナを抜け出したらしい。 ところが何分幼過ぎてあと一息踏ん張れず力尽き、薔薇園で倒れていたのをエルグの妻サリーナに助けられたのだった。 幸運だったとしか言いようがない。 優しいサリーナに懐いたレイチェは、今は大人しく霙との再会を楽しみにしているそうだ。 「レイチェまで巻き込んで…俺、一体どうしたら…」 「大丈夫です。とにかくここにいて下さい。 レイチェはあとでお連れします。」 落ち込む霙を宥めるガルーダとルウルウ。 と、そこへルウルウを呼ぶ密やかな声が聞こえた。 「リスド!? ガルーダ様、グルディに何か動きがあったのかも。」 「中へ。」 音も立てず忍び込んできたのは、グルディの館に潜入していたリスド。 「ラジェと連絡も取れず、ナガールを襲うことにも失敗したことを知ったグルディは怒り狂っています。 自分の身が危ないと悟ったのか、今度はラジェを狙おうと刺客を放ちました。 …しかし、其奴もすぐに我らの仲間が取り押さえ、企みは悉く潰れて…ユウスルもしょっ引かれて全てを暴露しているそうです。 グルディが捕らえられるのも時間の問題ですね…」 「そうですか…いよいよですね…」 ガルーダの呟きに、その場にいる皆が頷いた。

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