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ルース、動く(2)

「…行っちまった…俺も行かなければ! おい、あとのこと頼んだぞ!」 キリヤも弾丸のようにルースのあとを追って飛び出した。 「キリヤーっ!大変っ!レイチェがっ! キリ…あら?キリヤは?」 「イルネア!レイチェはエルグ様が保護して下さって無事だ! さぁ、悪党どもの大捕物が始まるぞ! 俺も手伝いに行ってくる!」 「レイチェが無事って本当!?エルグ様が保護!? あぁ…良かった…何て運のいいこと…すぐに迎えに行かなきゃ! え?ちょっと待って!大捕物?大変!皆に知らせなきゃ!」 イルネアが一報を打つと瞬く間にイスナ全体に知らされ、動ける者は彼女と共にキリヤの後を追い掛ける。 その後も続々と伝令を受けた者達が群れを成して城へと向かっていく。 様々な色の龍達の鱗が太陽の光を反射して美しく輝き、それはそれは見事な光景だった。 留守を預かる者達は、不測の事態に備えて連携をとっていく。 出立した者も残った者も、皆思いはひとつになっていた。 物凄いスピードであっという間に城下近くまで飛んで来たルースは、物陰に隠れて龍化を解いた。 さて、誰にも見つからずに城内へ入るにはどうしたら良いか… 思案していると、背後から突然声がした。 「おいっ、ルースっ!単独行動は慎めっ!」 息を切らして追い付いてきたのはキリヤだった。 「キリヤ!来てくれたのか?」 「アンタんちのお妃さんに負けず劣らずのうちのやんちゃ姫の迎えに行かないとな。 それに…こんな面白いこと一生に一度あるかないかだぞ?立ち会わなくてどうするんだ?」 キリヤはニヤリと笑みを見せ、拳を突き合わせて笑った。 「さて…どうやって城の中に入るか、だな…」 「心配無用だ。任せておけ。」 ドヤ顔のキリヤに連れられて行った先は、一軒の民家だった。

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