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足掻き(7)

ルウルウが大声で言い放つ。 「キリヤ様がついていながらこのザマは何?」 「ルウルウ…面目ない…」 「ルース様、早く霙様をお医者様に! そこの大きいおじさん、この悪党どもを早く引っ立てて! 何でくのぼうみたいに突っ立ってんのよっ!」 「わっ、分かった!」 「承知した!」 若いルウルウに叱られて指示されて、良い年した男共もかたなしである。 ルウルウはチラリとグルディを見ると 「おじさん、ちょっと待って。もう一発ずつ殴らないと気が済まない。」 そう言うとまずはアイルを見下ろし、ハッと気合を入れ腹部に一発。 どすっ 「ぐえっ」 今度はスタスタとグルディの所に歩いて行き、ハァッ、と気合十分怒りを込めて。 どすっ 「ひうっ」 ナルジはその様子を止めることなく黙って見ていた。 心の中で(今時の女の子も強くなったもんだなぁ。龍の国の軍にスカウトするか。)と感心しながら。 そこへガルーダが軍隊を引き連れて飛び込んで来た。 「ルース様っ!霙様っ!」 正気を取り戻し、その場から逃げようとしていたグルディとアイルはたちまちに捕らえられた。 もう言い訳も逃げ口上も通用しない。 グルディは無言でアイルは悪態をつきながら、ナルジの監視のもと引っ立てられていく。 「おとうさんっ!」 「レイチェっ!」 ひし、と抱き合う2人をルウルウが微笑みながら見ている。 ルースは担架で運ばれる霙の側から離れない。 「霙っ!しっかりしろっ!もう大丈夫だっ!」 「…ルース…」 「霙様、すぐにドリナ先生が診てくれますからね。」 いつもは静寂な神域がてんやわんやの大騒ぎとなっていた。 神域だけではない。 空には空軍と、イスナから駆け付けたイルネア達が旋回していた。 城内外には残りの陸軍が待機、国中を巻き込んでどこもかしこも大騒動であった。

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