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おあずけ(4)
霙の部屋では…ドリナの一挙手一投足に、ルースが固唾を呑んで見守っていた。
「…はい、霙様。もう大丈夫ですよ。ここまでくれば心配いりません。
普通の生活に戻って結構です。でも無理に擦ったりしてはダメですよ。
無理は禁物です。
特に、ルース様、お聞きになってらっしゃいますよね!?
もう一度申し上げます。
『無理は禁物』
よろしいですね!?」
「ぐぐっ…何度も念押しせずとも…分かっておる!…無体なことはしない…」
ドリナは、暗に『背中を擦るような行為は慎め』と言っているのだ。
(正常位でなければ良いのだ!うんうん。それならば…早速今夜あたり…)
むふむふと妄想を膨らませるルースをドリナは咎めるような目付きで見ているが、そんなこと今のルースには関係ない。
頭は満開の花畑だ。
ドリナはため息をつくと、霙にこっそりと耳打ちする。
「霙様、ルース様が求めてきても正常位はなりませんぞ。背中を擦ってはなりません。
まだ皮が張ったばかりで薄いですから、また裂けてしまいます。
それ以外の体位なら…まぁ、お2人で工夫なさって下さい。」
経験値の低い霙にはハッキリ言わないと伝わらないと判断して、ドリナがそう伝えると、途端に霙は真っ赤になった。
「ええっと、あの、その、うーーっ…ドリナ先生っ!」
「はっはっはっ。ではこれにて。」
大笑いするドリナが退出した後、2人っきりになったルースと霙。
ルースがそっと霙に近付き、その手が肩に触れた瞬間霙が跳ねた。
びくっ
「…そんなに警戒せずとも…無体なことはしないと約束する。」
「…だって、ルース…めっちゃニヤけてた…絶対ヤラシイこと考えてたんだ…」
「んんっ!?…何だ、見てたのか。
やっと久し振りにお前を抱けるんだぞ!?どれだけ俺が我慢してきたと思ってるんだ!?
顔が崩れる程に嬉しくて仕方がないのだ、許せ。」
ルースは隠すこともなく堂々と言い放つ。
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