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幸せに満ちる国(15)
緊張でまだ少し力の入った俺の身体を解すように、ルースは優しくキスをしてくる。
少しずつ荒くなる呼吸と上がり続ける体温。
どっ、どっ、と流れる血潮がこめかみや指先まで感じられる。
「霙、怖いか?」
ふるふると首を振り、にっこりと微笑んで見せた。
「ルース、きて。」
ちっ、と舌打ちしたルースは
「そんなことされたら優しくできないっ。」
と叫びながら唇に噛み付いてきた。
ヤバい。煽ったか!?
うわっ、ヤバい、ヤバい、とそんな単語しか出てこない。
唾液でぐちゃぐちゃになるくらいに口内を嬲られると、今度は鎖骨に噛み付かれた。
「痛 っ」
きっとくっきりと歯形が付いた。
それくらい痛かった。
でも、ルースになら齧られてもいいけど。
ルースは、噛み跡を舐めていたかと思うと、今度はもう既に尖っていた胸の粒を舐め始めた。
そんなとこ、感じる訳…
「んっ」
えっ!?思わず口元を押さえた。今のは俺の声!?
それに気を良くしたのか、ルースは口と指で攻め始めた。
爪の先で引っ掻かれたり、捻られたり。
押し潰されても健気にまた立ち上がってくる。
舌先で転がされて吸い付かれて…甘噛みされる。
そんなとこ、そんなことされたら、めっちゃ気持ち良くて、吐息混じりの甘い声が生まれている。
俺の反応を確かめながら、もう片方のルースの手は俺の下半身を弄っていた。
硬化を増して先端から透明の液を零している俺自身は、ルースの手を濡らし、擦れ具合が何とも言えず気持ちイイ。
耐え切れずに
「ルースっ、待ってっ」
と言うけれど、ルースはにやりと笑っただけで、止める気配はない。
ルース、こういうことに慣れているのか?
過去の見知らぬ相手を思った時、胸の奥がちりりと焼けた。
じわりと汗ばむ肌と揺れる腰。
ルースはゆっくりと丁寧に、俺の身体を解放していった。
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