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幸せに満ちる国(16)

「あっ、ああっ…はぁん…あっ」 これは誰の声だ!? 部屋に響く吐息混じりの嬌声は、紛れもない、俺の口から零れ落ちている。 貫かれて乱されて、快楽という名の深みに溺れている。 ルースの思うがままに体勢を変えて抱かれて交わり、今は膝の上に対面に座らされ、揺さぶられている。 揺らめく金色のルースの髪の毛は、蝋燭の火にキラキラと煌めいて炎のように見える。 焼き尽くされる。 ルースの愛に。 でも、怖くはない。このまま果ててもいいとさえ思う。 下から力強く突き上げられ、快楽のみに支配されて、自分の身体じゃないような不思議な感覚に、気が飛びそうになっている。 腰を支える手の平の熱さに、情欲の炎が灯る瞳に、気が狂いそうなくらいに溺れていく。 ルースは俺を貫きながら「愛してる」「霙、お前は俺のものだ」と唸り声をあげる。 「…あっ、ルースっ…ああっ、もう、あっ」 「霙っ…共に、共に果てようぞっ…」 俺の身体を高く上げ、今までより腰を引いたルースが、俺の肉筒を擦り上げながら、一気に奥へ進む。 更に自重で、あり得ない深さまで、ルースが抉り込んできた。 ずちゅっ 「あああっ」 俺の意思とは関係なく、白濁の液がルースの身体に飛び散った。 目の前にチカチカと星が飛ぶ。 誰にも暴かれたことのない奥の奥まで、ルースで満たされる。 ルースはリズミカルに俺の腰を持ち上げては落とし、俺をもっと堕としにかかる。 もうその頃には自分でコントロールが効かなくて、息をするのに空気が中々肺に入ってこずに、ぱくぱくと金魚のように口を動かすだけ。 身体が変わっていく。 そんな思いが漠然と生まれてきた。 『何が?』と問われても、上手く答えられない。 俺が、俺じゃなくなる。 でも、怖くはない。ワクワク感の方が強い。 ルースに揺さぶられながら、必死でその首に腕を絡ませた。 俺を見上げているルースが 「愛してる」 と何度も何度も伝えてくるのをただ頷くしかできなかった。

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