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幸せに満ちる国(19)

もう、何処をどうすれば俺が感じるのか、俺以上にルースの方が俺の身体を知り尽くす程に、中も外も身体中暴かれてしまった。 こんなことってあり得るのだろうか。 それも心底嬉しそうな顔をして触ってくるから、怒るに怒れない。 そう、俺は四六時中ルースに触れられることを望んでいるのだ。 変だよ。俺、すごく変。一体どうしちゃったんだろう。 ルースは、少し不機嫌な俺の顔を見つめては 「霙はどうしてそんな顔をするのか」 と尋ねてくる。 上手く伝えられなくて、「あー」とか「ううっ」とか言いながら不機嫌な顔を緩ませては、ルースの胸に頬を寄せる。 それがまたかわいくてならん、とルースの庇護欲と欲情に油を注いでしまっているらしい。 そこからまたイチャイチャに突入してしまう。 2人っきり、という、このシチュエーションがイチャつきに拍車をかけているのかもしれない。 煽ったり煽られたり。 言葉に出したり、無言でボディタッチで伝え合ったり。 そんな甘い甘い時間を過ごした俺達は、ガルーダとの約束の日に、名残惜しい気持ちを抱えて蜜月の間から出てきたのだった。 俺の腰を抱いて離れないドヤ顔のルースと、頬を染めて少し困った顔をした俺を王の部屋の外で出迎えたガルーダは、肩を震わせて笑いを堪えていた。 何をどう取り繕っても、ガルーダには全てバレているのだ。 「おめでとうございます。  これで全ての行事が恙なく執り行われました。 霙様は名実共にルース様のお妃様となられたのですよ。 どうぞお健やかに、いついつまでもお幸せに…」 「ガルーダ、ありがとう。 俺、何をしたら良いのか分からないけど、この龍の国のために俺ができることは何でもやるから。 だから、これからも力を貸してほしい。 ガルーダ、どうかよろしくお願いします。 ルウルウにもお願いしなくちゃね。」 「霙様、そんな、頭をお上げ下さい!」

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