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第3話:狸と狐

10年後俺は妖怪の住む街からちょっと外れた場所にある狐の家で世話になってたーーー 「いつき、ちょっと太った?」 そう言ってソフトに尻を揉んでくるのは 狸の妖ヨウゲン。 このエロじじぃはいつも俺の尻揉んだり股間触ってくる本当に厄介な奴! しかもソフトなくせに触り方が厭らしい! 「はぁ、おじさんあの夜の事が忘れられないなぁ」 そう耳元でため息混じりに語りかけてくる 「いつ!誰が!あんたと寝たんだよエロじじぃ!!離れやがれ!!」 「そんなに嫌がる事ないだろ?俺は本気で抱いてやってもいいっていつも言ってるだろ?華奢な体・・・そそるぜ」 舌なめずりしながら体を舐めるように見やがって! ヨウゲンはずっしりした体格で筋肉の塊って感じ・・・昔じいちゃんと見た海外の軍隊みたいなそんな体つきで顔も堀が深くてお前は本当に狸の妖なのかよ!みたいなイケおじ。 唯一可愛いのはちゃんと狸のしっぽが生えてるところ ってそんなのはどうでもいいんだ 俺は構わず洗濯物を干すことに専念する いつも放っておくといつの間にかフラリと居なくなったりするのに・・・ 今日は執拗いな!! 「お前二十歳になったんだって?人間で言う成人ってやつだろ?」 「知らねぇよ人間の事なんて・・・あんまり覚えてないしな。唯一幼なじみの花音ちゃんとチューしたぐらいじゃね?」 「このませ餓鬼。おじさん差し置いて女の子とチュッチュしてたなんて妬いちゃうな」 へっ!じじぃ俺の惚気話で沈めてやんよ!! 大体からいつもいつも水狐が居ない時ばかり狙ってきやがる! 「イツキまだタオルが・・・ってヨウゲンまたイツキにちょっかい出てましたね?」 洗濯物の海を避けるようにこちらに歩み寄ってくるこの人が水狐(スイコ) 10年前俺の手を引いて保護してくれたまぁなんだ俺が好いてる人。 「よぉ!スイコちゃんイツキが俺に靡かなくて泣きそうだわ」 「ヨウゲン、無理ですよ?イツキは私にゾッコンなので・・・ね?イツキ」 俺はコクコクと頷くとヨウゲンに向かってシッシッと手で合図した 「ったくつれねぇなぁ・・・でも今日用事があるのはお前じゃなくて水狐なんだわ。炎狐が帰ってきてるみたいだぞ?」 「炎狐が?あの気まぐれちゃんとサツキも連れてきてるのですか?」 さぁ?みたいなポーズをしながら去っていくヨウゲン 兄ちゃん帰って来たんだ・・・前回会ったのが3年前だからなぁ〜会うのちょっと楽しみだな 「あ、イツキは今回会えないからね?」 「え?なんで?」 「えーっとその・・・うーん、あれですよあれ」 あれってなんだよ 一体なんなんだよ!!と水狐の肩をブンブン揺する するとため息つきながら 「成人してるのに誰とも交わってないからですよ・・・そういう人は妖の格好の餌食です。強い力が得られますからね」 「え、じゃあ何?俺は街に降りれねぇの?」 最近買い物全然ないし洗濯とか掃除とか家の中にやたら閉じ込めたがるなとは思ってたけどこれが原因かよ!

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