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第4話:優しさ
「イツキは綺麗なままでいいんだよ」
そう言って撫でてくる水狐
いつもそうだ保護者的な立ち位置で遠くから見ていて危ない時は絶対助けてくれる
そう言う性分なのかもしれないけど優しすぎて逆にゾッとする事がある
この間は外で結界張ってたし
そんな事しなくても誰も俺を食べないのに
タベル、イミ、マチガッテルテルテル
オマエ、ヒドイニオイ
ヨダレタレル
って悟りさん何してんの?
オマエ、ココロ、コエ、キコエタ
ボク、スイコ、ウラギラナイ!ダカラ、タベナイ
デモ、ヒドイニオイ!キケン
「俺風呂は毎日入ってるんだけどな?どんな匂い?」
イエナイ、イエナイ、クルシイ、ガマン、ガマン
「悟りさんは俺の事食べないよね?」
ウン、タベナイ。デモ、デモ
「お前が水狐の所有物じゃなきゃ犯してる・・・やっぱりオマエ、キケンだな。本来の姿が保てなくなる・・・ハヤメニ、水狐に何とかしてモラエ」
俺は直ぐに悟りさんから離れた。
昔水狐が言ってた・・・人間は生きてるから周りの妖怪に害を与えるって
人間の精を吸って成長してしまうって
だから悟りさんにはあまり長く近付けない。
良い奴なんだけどな
ってか犯すって・・・
殺すって意味で?それとも・・・
水狐なら何とか出来るんだろうか?
ーーーーーー夕飯時
「なぁ水狐・・・悟りさんがね俺の匂いが酷いって早めに何とかしてもらえって・・・何とかしてくれないかな?」
ぶぅーー!!!!ゲホッゲホッ
「な、な、な、ん?ん?それってどう言う意味です??」
「え?いや、だからなんか人間っぽい匂いが酷いんだろ?俺」
「いや、だからそうじゃなくて意味を分かって言ってるのかって話ですよ」
へ?意味?
キョトンとした顔で見つめると
水狐はゴホンっと咳払いをした
「つまり、匂いを消すってことは私と交わるってことですよ?」
「ん??」
「イツキ・・・貴方は今私にセックスしないかと持ちかけているわけですよ」
意味を理解した俺は顔がカァッと暑くなった
別にそう言う意味で言った訳じゃないけど
分かりやすく言われてしまえば飲み込むのに時間はかからない
「あ、貴方が匂いを消したいと願うなら私は・・・私は・・・違いますねちょっと説明をしましょうか」
まず人間は生きている者と言う扱いで
近くに居るだけで位の低い妖怪は妖に近付いてしまう
逆に妖怪や妖は霊界と天界の狭間にある宙ぶらりんな位置にあるので肉体は死んでいて魂が具現化しているらしい
なので生きているものは基本動物でも人間でも匂うらしい
その匂いは妖等を発情させる匂いで肉体を手に入れたり力を手に入れる方法として性交する事なのだそう。
そしてその匂いは二十歳を境にレベルMAXを迎え隙あらば襲われるそうな・・・
ちなみに1度交わってしまえばその交わった妖怪の匂いになるそうだ。そうして交わる度に自分も妖になるのだとか
「ってめっちゃ大事な話じゃん!」
「い、いや、そんなまだ20年しか生きてないイツキは赤ちゃん同然で・・・こんな生々しい話したくなかったんですよ」
「じゃあ俺は・・・えっちしないともうヤバめな感じってことか」
「いや、イツキはそのままでいいよ!私達が耐えればいい話だからね」
グッ!みたいな反応されてもなぁ
そう思うとレベルMAXな俺と普通に接してる水狐やヨウゲンってやっぱり凄いヤツらなんだな
ってあのエロじじぃは違うか。ケツ触ってくるし
「なぁ、交わるって痛いの?」
「痛くならないように色々あるんですよってまさか誰かとする気ですか?」
「え?あ、水狐はダメなの?」
「このお馬鹿!私がどれだけ悩んで守ってると思ってるだ・・・それをそれをいとも容易く崩すんじゃない」
ドスって音がして
気づいたら視線は天井を見ていた
手首に重さを感じで少し下に目をやると
毛先に掛けて青のグラデーションが入った綺麗な髪が俺の頬を掠める
真剣な眼差しが痛いほど刺さって
胸がドキドキした。
「私だって妖です。こうして貴方を拘束して犯す事など容易。でも傷付けたくない・・・
もしイツキの香りが理性を持ってったら私は貴方を夢中で貪るでしょうね・・・そのくらい今の貴方は危険です」
スーッと辺りが曇り始める
な、何だこれなんか凄く優しい香りがする
次第に辺りは霧に包まれた
「イツキが痛くないように私が特別にこの成分を散布してやろう」
あ、そっか忘れてたけど水狐は水を操れる狐なんだっけ?
「って、ヤル気満々じゃん!あんなに守ってるとか言ってたくせに!」
「お黙りなさい。私が奪った方が安全だと思っただけです」
そう言って初めてした口付けは
砂糖水の味がした
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