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そして死神が口の中で何やら呟くと 男はゆっくり無表情で立ち上がって 携帯を操作して、バックから財布を出すと そのまま黙って部屋を出ていった。 俺は驚いて顔だけ上げて、その様子を見た。 「ケホッ」 何がどうなったの?と聞こうと思ったのに 声は出なかった。 「しゃべらないで、ちょっと待って」 死神が慌てて戻ってきて、俺の喉にそっとふれた。 冷たい指先が触れて、しばらくすると 死神がニッコリ笑った。 「いいよ、もう大丈夫」 「え?」 あ、声出るじゃん。 「あ、あ、ああ~」 声の具合を確かめてみたけど何ともない。 潰れたような喉の痛みも消えた。 俺は思わず飛び起きた。 「すごい!死神のくせに怪我も治せるの?」 「ま、まぁちょっとだけな」 ほめられたことが嬉しいようで、ハニカミながら 笑っている。 「あいつは?出ていっちゃったけど」 俺はベッドの上に置き去りにされた財布を開いて 中を見ながら聞いた。 「記憶を消した。今日の記憶とキミの記憶 もちろん携帯のデータもね」 死神は少し得意気に言った。 「死神すごいじゃん!」 俺が喜ぶと死神は嬉しそうに笑って目を反らす。 「それより早くシャワー浴びてこい 中に何度も出されてただろ」 「…あーそれは治してくれないんだ?」 「それ自体は怪我でも何でもないから無理」 「なるほど」 俺は言われた通りシャワーを浴びて 男が俺の中に出したモノも綺麗に流した。 めちゃくちゃにヤられたせいで 体のあちこちが痛くてだるい。 そういえば死神、俺とヤりたいなんて 言ってたけど… まさかこれからするつもりだろうか? スッキリして出てくると、死神はベッドに 体育座りでAVを見ていた。 手で顔を覆って指の隙間からしっかり 男女のまぐわうシーンを恥ずかしそうに見ている。 「外人のスゲーな」 俺が横目で見ながら言うと、ウンウンと うなずいている。 「サイズ感おかしくない? あれ、ホンモノ?」 本当に中学生みたいだなと、俺はAVではなく 死神を眺めた。

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