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高校が同じだった事にも驚いたけど クラスも違っていたし、今まで全然話しかけたり してこなかったのに…。 教室に戻る途中、俺はチラリと千里の顔を 盗み見た。 千里は小学生の頃から、整った可愛らしい 顔をしていて、女子からモテモテだった。 身長はそれほど高くもないけど、170をやっと 越えるくらいの俺よりは高いし、十分だろう。 頭も良くて、優しくて、運動だって平均以上の 彼にはマイナスポイントなんてどこにも みつからない。世の中は不公平だ…。 「じゃあ、またな」 教室の前で軽く手を上げて去っていく。 ー また? 俺はちょっと驚いたけど まぁ、別れ際だし勢いで言っただけだろうと 気にしなかった。 それよりユイだ。 ユイが教室の前に立って、ふて腐れた顔をしている。 俺は回りに人がいないのを確認して、放課後な、と 呟き、ユイの前を通り過ぎた。 「絶対だよ!」 ユイは怒った顔のままそう言った。 俺は一応 、読書部という部活に入っている。 何らかの部活に入らなければいけなかったので 仕方なく、活動が一番少ない部活を選んだ。 月に一冊本を読んで感想文を出せばいい。 誰もいなくなった放課後の教室で、1人で本を 読んだ。 「おもしろい?」 気づくとユイが俺の前の席に座っていて 本を覗きこんでいた。 「まぁまぁかな…昼はゴメンね」 「いいよ。仕方ない…で? 殺されたって?どういうこと?」 「ああ、大変だったんだ…」 俺は昨日の出来事を話して聞かせた。 「なんかどっから突っ込んでいいやら… それ、全部夢じゃないの?」 俺は財布を出して中身を見せた。 「スッゲー!」 ユイが興奮して叫ぶ。 「金が手に入ったのは夢じゃない もう今月はこれだけで過ごせるな」 俺はニッと笑って見せた。 「でも死んでたら、そんなの はした金だよ もう、いいかげんウリなんてやめなよ」 「そうだな…さすがに今回は身にしみたかも 楽に金が手に入るからツイツイ… ゲイって結構いるのな?」 「もう、そろそろバイト代だけで我慢しな」 「ハイハイ」

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