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「いつから死神なの?」 「覚えてないけど、晃太が生まれるよりも ずっと、ずっと前からだよ」 「そうなんだ」 タロウは几帳面に食べたものを整理して テーブルの上を軽く片付けた。 「何で俺のこと助けたの?」 「え?えーっと…それは…」 死神はまたモジモジしだす。 「…か、かわいかったから…」 「………それだけ?」 俺は拍子抜けして聞き返した。 「かわいい子なんていっぱい いるんじゃない?その度に助けちゃうの?」 「そんなわけないだろ! こんな事するの初めてだよ!」 「え~!ますますワケわかんない 俺、可愛いかもしれないけど、命を 救ってもらうほど可愛くはないだろ~」 「もう!いいってその話は!」 俺は腑に落ちなかったものの、目を窓の外に向けて ひたすらリンゴジュースを飲み続けるタロウを見て これ以上聞いても何も答えないだろうな、と 聞くのをやめた。 「………じゃぁ、風呂でも入ろっかな…」 「え、あ、うん」 「先にいい?」 「いいよ」 「あ、あのさ…一応確認しときたいんだけど」 バスルームの目前で振り返る。 「え? なになに?」 「タロウはさ…挿れたいの? 挿れられたいの? どっち?」 タロウの顔が茹でられたように真っ赤になる。 「い…」 「うん」 「い…いれ…」 「……る?」 タロウは目をギュッと閉じたまま、何度もうなずいた。 「了解。まぁヤらせてって言い方してたから そうだとは思ったんだけど…念のため」 そう言って俺は真っ赤になって、立ち尽くす タロウを置いて、バスルームへ向かった。 ユニットバスではなく、普通に綺麗で それなりの広さのあるお風呂だった。 ゆっくり時間をかけ、身体をきれいにする。 それにしてもタロウは、あんなんで本当に 大丈夫だろうか? どう見ても未経験だ。 俺は別にゲイではない。 1度、電車で痴漢にあったことがあって その時はビビったしキモいと思ったのだけれど 後日、もしや男の俺でも、援交とか、ウリなんて おいしい小遣い稼ぎができるんじゃないか?!と 閃いてしまったのだ。 だから俺が男と寝るのは、完全にバイト感覚で それ以上でも、以下でもない。 プライベートで同性に、特別な感情を持った事は 1度もなかった。

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