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4. Lose control ※

そんなわけで今まで寝た相手は 俺がマグロでいても気にしない 勝手におっぱじめて、勝手に終わる。 どんな事をされるのか、内心不安を感じつつ 一方では俺は何も考えなくていい気楽さがあった。 でもタロウは違う…。 ー あいつ…本当に分かってるんだろうか? 風呂から出ると、ルームサービスの食器は 綺麗に片付いていた。 「片付けてもらったんだ?」 「あ、うん」 ホテルのガウン姿で出てきた俺を 2度見して、目をそらす。 「タロウも入る?」 「う、うん!行ってくる!」 すごい気合いを入れて、バスルームに バタバタ消えていった。 不安だ…。 不安しかない…! タロウが出てくるまでベッドに座り、 アキ子さんが持たせてくれた、焼き菓子を食べて テレビを見ながら待った。 30分ほど時間をかけ、生乾きの髪をタオルで 拭きながら、タロウは出てきた。 コンビニで買ってきたペットボトルを渡すと 目を合わさず、ありがとうと受け取り 少し離れたベッドの反対側に座った。 「タロウ…やったこと…ある?」 「…ない」 「………女の子は?」 「…たぶん、ない…」 「初めてで…相手が男の俺でいいのかな…」 タロウがこちらに背を向けたままうなずく。 猫背になって小さくなったようにも見える。 「男とか女とか関係ないんだ…」 「え?」 「………晃太がいいんだ」 やっと聞こえるような、小さな声で呟いた。 胸の奥がキューとなって、後ろから抱きしめたい 衝動にかられる。 ー ヤバイ…なんか可愛い… タロウが立ち上がってクローゼットへ行くと なにやらガサガサ袋を出してくる。 「なにそれ?」 タロウは袋を逆さまにして、全てをベッドの上に 散らかした。 出てきたのはローションと大量のゴムだった。 色んなメーカーの。 「いや、店かよ」 「色んなのあって、よくわかんなかったから 手当たり次第に持ってきた… 晃太どれがいい?」

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