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千里が昼休みに姿を見せるようになった頃か。 俺は小さく息を吐いて、コーラを飲んだ。 「そっか、やっぱりどこで誰が見てるか 分かんないね…」 「…………」 「あれはさ…そういうんじゃなくて… バイトというか…小遣い稼ぎ…」 「ウリ?」 ズバリ聞かれて、千里を見ると 恐ろしく真面目な顔で俺を見つめている。 「まぁ…そんな感じ?」 「そんなのやめろよ!」 思いの外、強い口調で責められて驚いた。 「危ないし、バレたら退学だよ…そんな…!」 「待て待て!もうやめたから!」 「え!?」 「もうやめたんだ、千里の言うとおり 結構危ない目にあっちゃってさ、懲りた」 「本当に?」 「うん、本当」 「……そ…ぅ」 「心配してくれたんだ、さんきゅ」 「いや…いいけど…」 千里が少し、我にかえったように ストンと椅子に座った。 「そっか、それでか。 ゲイかもしれない奴に、一緒に風呂入ろうとか 言われたらビビるよな」 言いながら千里の気持ちを考えたら、可笑しく なってきて笑いがこみ上げた。 「ってゆうか、ゲイかもしれない友達を よく誰もいない家に誘ったよ、千里すげ~」 「それは…晃太だから…」 「……ぇ?」 「ずっと気になってたんだ。ホテルに入ってくの 見てから…。ウリなんじゃないかって半分くらい 思ってて、でも半分は…晃太が本気で…」 「ちょ、ちょっ…ちょっと待って 本気であんなオッサンとエッチしてるとか 思ったの?」 「ちょっとだけ…」 「聞いてくれて良かったよ。 ちゃんと訂正できて…」 「半分本気だったらどうしようって思ってたから なかなか言い出せなくて… この前泊まるって言ってた時も…ゴメン 気になって後をついてったんだ」 「…え?」 「ホテルで会ってただろ?彼女じゃなくて ……男の人と…」 ー そこまでするか?普通… 千里ちょっとサイコ… 「明らかにウリだって思ったら 割って入って、連れて帰ろうと思ったんだ」

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