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「怒ってるけど?」 トイレについて、ドアを開けたまま 一番奥の個室に入った。 腕を組んで睨み付けると、タロウは眉尻を下げて 泣きそうな顔で俺を見た。 ー ホントに犬みたいだな… 「ゴメンねテストなのに邪魔して?」 「テストじゃなくてもダメでしょ?授業中は」 「うん、ゴメンね」 「ってゆうか、一回やらせてって 言ってなかった? もう、一回は終わったよね?」 タロウは何か言おうと口がパクパク動いたけど 言葉は出てこなかった。 動揺して顎をしきりにさわって視線をソワソワ 動かしている。 ー 可愛い…。 俺はちょいちょいと手招きして、タロウを 個室の中へ誘い込んだ。 タロウが素直に従って入ってきて、パタンと 扉が閉まり、個室の中が薄暗くなる。 「ホテル…泊まりは無理だよ」 タロウの頬に触れて、唇を見つめ ヒンヤリ不確かな感覚を確かめるように 何度も撫で回した。 「 …こうたっ」 その距離に絶えられず、タロウが俺の体に 手を巻き付けて唇に噛みついてきた。 チュッチュッと音をたてて激しく吸い付く。 俺が舌を差し込むと、タロウの舌が 待っていたように絡み付いてくる。 俺がすぐに舌を引っ込めて笑ってみせると 荒い呼吸のままタロウが不満そうに眉を寄せた。 「話してる最中じゃん…」 「だって…」 「もう、お泊まりはしばらく無理だよ アキ子さんに変に思われる」 「帰れればいいの?」 俺はニッと笑って言った。 「いいよ」 「…あっ…こうたっ…」 タロウがトイレの壁に俺を押し付けるようにして もう一度キスをした。 「…はあ、はぁ」 上がった呼吸のまま、俺に下半身を擦りよせる。 「ダメだよタロウ…」 俺の言葉なんて聞こえないように、俺のベルトに 手をかけた。 「こら」 「誰も来ないよ」 「ぁ…ん…」 タロウの手が俺の中心をまさぐって、空いた手で 俺の腕を掴む。 「晃太も触って…」 抵抗する事もなくズボンの中に手を突っ込んで タロウのモノを握った。 「ああ…」 タロウの吐息が耳にかかって、肌が粟立った。

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