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「俺んち寄ってよ。 ちゃんと話したいんだ」 俺たちの家の最寄り駅に降り立って 千里に声をかけられた。 「分かった」 俺は短く答えて千里の家へついていった。 千里の家は相変わらず灯が消えていて しんと静まり返っていた。 玄関に入ってドアが閉まった瞬間千里が口を開く。 「なんでアイツと会ってるの?」 「………」 「金もらってるの?会ってるのアイツだけ?」 「…アイツだけだよ」 小さな声で返すと、千里はため息をついた。 俺に背を向けて2階の自分の部屋に上がっていく。 「何でなの?やめるって言ってたのに どうして会うの?そんなに金がいるの?」 「……もう、金はもらってないよ」 俺の言葉に驚いた顔を見せる。 「…じゃぁ…どうして…?」 「…単純に…アイツとヤるのが楽しくて」 千里は更に驚いて、開いた唇が フルフル震えた。 「千里は何でそこまで俺の事気にすんの? …つけてきたとか…ちょっとひくよ」 「心配だからって言っただろっ ウリなんてバレたら退学にされるかも…」 「だからって、つける?」 「……っ」 「とりあえずさ、もうウリなんてやってないよ それは本当だから安心してよ だからアイツとの事も心配しなくていいよ 千里が思ってるような悪いヤツじゃないから」 それだけ言って部屋を出ようと、ドアノブに 手をかけた、その時…。 千里が俺のひじを引っ張って、強引に俺を 抱きすくめた。 驚いて後ずさった俺は、ドアに背をぶつけ 千里とドアに挟まれて動けなくなる。 ー ? なにこの状況…! 「ちょ、千里…!」 「アイツが好きなの?」 ドアに押し付けられて、顔も見えないまま 千里が吐き出すみたいに言った。

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